物語重視だが自由度も高く、クリアタイム100時間越えも頷ける名作
主人公はとある問題を起こして保護観察処分となった高校生。転校し、新たな学生ライフを送るというところから物語が始まる。
とは言えその問題というのも冤罪のようなもので、本作には権力を持った大人が好き勝手するムナクソな展開が多く描写されている。そこは苦手な人にはちょっと注意するべきところかもしれない。
本作では、そんな大人の歪んだ認知世界《パレス》に潜入する力を持った主人公たちが《怪盗》に扮し、腐った大人の心に巣くう欲望の源《オタカラ》を奪うことで、悪人から善人に《改心》させることを目的として活動していく。
その大人の汚い部分を丁寧に描いていくため、本作はゲーム開始から自由に行動できるまでかなりの時間がかかる。チュートリアルも兼ねているおかげで、最初の自由行動日まで5時間くらいかかった。
ただそれは物語への没入感を高めるためであり、いわば「動機付け」の部分を大事にしているということ。そのあとの自由行動時間は、逆にやれることが多すぎるほどあるので、ゲーム性を重視したい人も安心してプレイしてほしい。
自由行動時間では、昼と夜に大きく分けて3つの行動を行なっていく。《パレス》を攻略する「怪盗行為」、重要人物と絆を深める「コープ活動」、主人公の人間パラメータを上げたりアルバイトしたりする「日常生活」だ。
この限られた自由行動時間で、いかに効率的に仲間との絆を深め、自分磨きをし、《パレス》を攻略していくかが本作のキモ。ただ、「最適解」はあっても「正解」はないので、初見プレイの際はぜひ攻略サイトなどに頼らず、「自分の思う通りの行動」を選んでみてほしい。きっと、それが一番ゲームを楽しめる。
戦闘要素は奥深いが初心者も安心のサポート付き
ターゲットの心の迷宮《パレス》に忍び込むRPGパート。敵と戦うだけでなく、さまざまなギミックも用意されているので、かなりの歯ごたえがある感触だ。
弱点を突くのが難しそうと思った人、ご安心を。一度弱点属性を当ててしまえば「Weak」の表記がスキル選択時に出るし、なんなら仲間の行動をAIに任せてしまえば有効な行動を取ってくれるので、むしろRPG初心者にも優しい仕様だと言える。
新たなペルソナを手に入れたら、ベルベットルームと呼ばれる場所で「合体」しよう。合体を繰り返すことで見たことのないペルソナを入手できるほか、「スキル継承」で自分好みのペルソナに育てられる。
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