あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第266回
デザインも乗り味も超個性的なプジョーのSUV「3008 GT HYBRID 4」を現役モデルがドライブ
2022年10月23日 12時00分更新
グローバル化が進んだ現代において、製品から“お国柄”を感じることは少なくなりました。それはクルマも同じなのですが、その中においても強い個性を放つ国があります。それはフランス。とにかくフランス車は個性的。今回は、その中でもダントツに個性的なプジョーのSUV「3008 GT HYBRID 4」をご紹介しましょう。
プジョーのラインナップの中でも大柄な3008シリーズ
フランス車というと、ルノー、プジョー、DS、シトロエンあたりが日本では知られているのではないでしょうか。そのうち、ルノーを除く3ブランドは、ステランティスN.V.という多国籍自動車製造企業の1部門だったりします(本社はオランダ)。ステランティスN.V.は現在、アバルト、アルファロメオ、クライスラー、シトロエン、ダッジ、DS、フィアット、ジープ、ランチア、マセラティ、オペル、プジョー、ラム・トラックス、ボクスホールという14ブランドを抱えています。その中でプジョーは、フランス系の中では最もスポーティー路線という位置づけ。ちなみにシトロエンがコンフォート寄りで、中間がDSなのだとか。
それでは今回試乗したモデル、3008 GT HYBRID 4について。プジョーのラインアップではミドルクラス(Cセグメント)に位置する3008が登場したのは2017年のこと。当初はガソリンエンジン車のみでしたが、ディーゼルが加わり、ガソリンエンジン車も仕様変更をするなど、こまかなラインアップの組み換えが行なわれました。2020年にマイナーチェンジされ、現在の外観に。翌年の1月に、今回ご紹介するハイブリッドモデルが加わりました。お値段は648万4000円~です。
3008 GT HYBRID 4は、ガソリンエンジンと2基のモーター、走行用バッテリー、外部からの充電システムを組み合わせたPHEV。PHEVということは、つまり補助金を受けることができます。その額は国から45万円、地方自治体から45万円の計90万円! さらに自動車重量税100%減税、環境性能割は非課税、グリーン化特例として翌年度の自動車税75%減税というおまけ付き。よって補助金を使った場合のガソリン車(3008 GT、515万8000円)との差額は40万円ちょっと高い程度となります。
パワーユニットは1.6リッターガソリンターボエンジンをベースに、高回転・高出力化を図ったもので、最高出力200PS、最大トルク300N・mを発生。組み合わされるトランスミッションは8段ATで、そこに最高出力110PS、最大トルク320N・mのモーターを内蔵しています。さらにリアにも、後輪用として最高出力112PS、最大トルク166N・mのモーターを搭載。システム全体での最高出力は300PS、同最大トルクは520N・m、0-100km/h加速5.9秒という俊足ぶり!
バッテリー容量は13.2kWhで、EVだけで64km(WLTCモード)の走行が可能。充電は急速充電には対応しておらず、200Vで約6時間とのこと。ちなみにチャージモードの類はないようで、減速時の回生も弱め。ですので、バッテリーのインジケータは減ることはあっても増えることはほぼありません。減ってくるとエンジンが主で、必要に応じてモーターがアシストするという動作モードに変わってきます。
走行モードは「ハイブリッドモード」のほか、積極的に電気走行する「エレクトリックモード」、リアモーターを積極的に作動させる「4WDモード」「スポーツモード」という4種類。そのうちスポーツモードはモーターよりもエンジンを主としますが、ほかのモードは電気が主となっているようです。
この連載の記事
-
第491回
自動車
ボルボの電動SUV「EX30」は価格と性能のバランス良し! 乗って実感したオススメポイント5つ -
第489回
自動車
サーキット向けのアルピーヌ「A110S」はフランスらしいデザインと上質さで街乗りも楽しい -
第489回
自動車
アストンマーティン「DB12」はラグジュアリーと最高性能を両立させて究めた1台 -
第487回
自動車
Hondaのセダン「アコード」はすべてが適度でちょうどいい! 5つの魅力を紐解く -
第486回
自動車
これぞ王道! これぞ本流! BMWの魅力を凝縮したSUV「X5」は最高の1台と断言する -
第485回
自動車
1000万円対決! ポルシェ「マカンT」とアウディ「SQ5」似て非なる2台をあらた唯と徹底比較 -
第484回
自動車
日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞のHonda「FREED」の魅力と買いのグレードはコレだ! -
第483回
自動車
【ミニバン売れ筋対決】ホンダ「フリード」とトヨタ「シエンタ」の良いところと微妙なところ -
第482回
自動車
これがBMWの未来! フラッグシップEVの「iX」は乗り心地良すぎで動くファーストクラス -
第481回
自動車
アルファ・ロメオのハイブリッドSUV「トナーレ」はキビキビ走って良い意味で「らしく」ない -
第480回
自動車
独特なデザインが目立つルノーのクーペSUV「アルカナ E-TECH エンジニアード」はアイドルも納得の走り - この連載の一覧へ