将来性を重視したSocket AM5
Ryzen 7000シリーズはCPU形状とソケット規格も大きく変化した。長く使えるプラットフォームを志向した結果、より新しいDDR5やPCI Express Gen5が採用され、その結果としてCPUはLGA1718へ、ソケットは「Socket AM5」に変更された。
従来のuPGAを捨てた理由はDDR5対応のほかにCPU直結のM.2スロットを最大2基設置できるようにPCI Expressのレーン数を28に増やしたこと等でピン数が足りなくなったのはもちろんだが、LGAにすることで電気的特性も向上している。
さらにSocket AM5ではソケットへの供給電力も最大230W(AM4では最大142W)まで引き上げられた。Ryzen 9 7900Xと7950XのTDP 170Wというスペックは、このパワーリミットを限界まで使える設定である。
ただSocket AM4用クーラーとの互換性を確保するためにCPUのフットプリントを据え置いた結果、ヒートスプレッダーはキャパシターをまたぐような形状になった。ヒートスプレッダーの下は空洞であるため、シリコングリスを盛りすぎてしまうとヒートスプレッダーの下にグリスが入り込んでしまう可能性もある。そのためRyzen 7000シリーズには導電性のあるグリスはオススメできない。液体金属グリスの使用にも十分な注意が必要だ。
ちなみに、AMD製CPUにおけるPower Limitに相当するPPT/EDC/TDCのパラメーターは下図の通りとなる。TDPの1.35倍がPPTという計算式はSocket AM4からそのまま継承されている。
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