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好きなキャラとつながるオタク的スタートアップビジネス

かーずSPが聞くデジタルコンテンツスタートアップの最前線 株式会社any style 代表取締役CEO 萩原湧人氏インタビュー

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 日本のアニメがNetflixで全世界配信され、海外のコスプレイベントも盛況、YouTubeのスパチャ獲得金額の上位をバーチャルYouTuber(VTuber)が上位を占めるなど、日本のオタクカルチャーは世界中に広がっています。

 そんな中、推しの声優やキャラクターから朝のモーニングコールや自撮り画像などのメッセージが届く、一対一感覚のメッセージアプリ「dear.」が注目されています。国内有数のベンチャーキャピタル、エンジェル投資家からも高い評価を得ている株式会社any styleの代表取締役CEO萩原湧人氏にインタビューを実施、推し活ビジネスの最前線に迫ります!

株式会社any style 代表取締役CEO 萩原湧人氏

「みんな二次元キャラとコミュニケーションが取りたい」推しとつながれる体験「dear.」

───ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家が選ぶアクセラレータープログラム「G-STARTUP 4th Batch Demo Day」での最優秀賞、おめでとうございます! どういったところが評価されたと感じていますか?

 関連リンク https://globis.co.jp/news/venture-capital/5061-2022-04-05/

萩原湧人氏(以下、敬称略):アニメやマンガといったオタクカルチャーが海外でウケていることを、投資家の方々も注目している結果だと思います。オタク産業といえば日本が最先端で、しかも海外で伸びていて成長余地があります。

 ちょうど今年はVTuber事務所のANYCOLOR株式会社が上場して、二日間で時価総額にして約1600億円を超えました。これはキャラクターIPを創出する事業でスタートアップできる、良い前例ができたと考えます。

───「dear.」を使い始めてから、朝のモーニングコールや推しの自撮り画像などメッセージが届くのが楽しいです。特にボイスメッセージは、実際に本人から着信が来たような体験で嬉しくなりますね。こうした面白い着想のきっかけは、どこからでしょうか?

萩原:僕の原体験として、ニンテンドーDSと3DSに出ていた「ラブプラス」って恋愛シミュレーションゲームがありました。ゲーム内で、ヒロインとメールや電話で連絡が取れるシステムが画期的で、当時めちゃくちゃハマったんです。

───ありましたね! タッチペンで画面内のヒロインの唇をタッチするとキスしているかのような疑似体験型の恋愛ゲームで、当時話題になりました。

萩原:他にも、「彼女、お借りします」のホームページに書いてあるフリーダイヤルに電話すると、ヒロイン達からボイスが聴ける「かのかりコール」や、「からかい上手の高木さんVRプロジェクト」というクラウドファンディングに1200万円以上が集まった事例もあります。アニメのキャラと恋愛したい願望、二次元キャラクターとコミュニケーションが取れる体験には強いニーズがあると感じています。

───それで新たなコミュニケーション体験として「dear.」を作られたわけですね。

萩原:実はこうしたメッセージアプリは、すでにアイドル業界でうまくいっているんです。

───それは知りませんでした。

萩原:例えば坂道グループ(秋元康氏がプロデュースする乃木坂46、櫻坂46、日向坂46ら一連のアイドルグループ)、ジャニーズ事務所、東方神起など韓国系のアイドルでは、自分の推しメンからメッセージが届くアプリがすでに運用されているんです。僕も日向坂のメンバーに課金しているんですが、すごく良いんですよ。ですが声優やアニメファン向けのサービスで同様のものを見かけませんでした。そこでiOSアプリとして立ち上げたという経緯になります。

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