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T教授の「戦略的衝動買い」 第687回

30cm定規で演奏の奥義を極める「Musical Ruler」を衝動買い

2022年06月10日 12時00分更新

文● T教授 撮影●T教授 編集●ASCII

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専用30cm定規は、上から4本指のホールド部分、音程を記したNote部分、定規を弾くポジションを記した部分の3つからなる

Musical Rulerの演奏方法をマスターしよう

 書籍では、付属のプラスチック定規を使って演奏する心構えやちょっとしたテクニックが、平易な英語で細かく解説されている。まず専用30cm定規には3つのポジションがあり、明確に定義されている。定規の中間辺りに「低いド」(C)〜「高いド」(C)までのドレミファ・ノート(音符)のポジションが記載されている。

 そして、定規の上部方向に塗り潰した黒い楕円が4つ並んでいる。この場所は、定規を机の上で支えるための指先のホールディングポジションを示している。一番ドレミファのポジションに近い部分を人差し指、その隣が中指、そして薬指、小指の順に並べて楽器である定規がふらつかない程度に、ホールドする。きっと右利きか左利きかで、演奏者の立ち位置や座り位置は変化するだろう。

スタイルフリーな演奏が基本だが、テーブルのエッジは重要だ

 最後にホールディングポジションと中央のドレミファ・ノートを挟んで反対側にある、同じように塗り潰した黒い楕円が一つあるが、ここはもう一方の手の指で定規を弾くためのフィンガーリング・ポジションだ。指一本でも構わないし、必要なら複数の指先で弾いても良い。もちろん押し下げて定規の反発で弾いても、時には定規を引っ張り上げて離すというテクニックもアリだ。机のエッジ角や素材で発するサウンドは変化する。

最低でもこのくらいまっすぐなエッジは必要だ

 一番肝心なのは、ある程度正確明瞭な音程を出すためには、演奏に際して机のシャープなエッジ部分を利用することだ。食卓やデスクでも、ソフトなアールの付いたエッジでは音が鈍ってしまう。

 実際の演奏では演奏ベースの台座となる部分の大きさや重量、質量もサウンドに影響を与える。感覚的には、適度な大きさの箱に並んだ長さの違うスリムな金属棒を弾いて演奏する、アフリカの楽器「カリンバ」を想像すればおよそ当たっているだろう。

 カリンバは、音程の数の分だけスリムな金属棒が鍵盤のように並んでいるが、「Musical Ruler」は金属棒の長さをリアルタイムに音符の長さの分だけホールドして定規を弾き、次の音符の音階に応じて定規をスライドする単音楽器だ。

 そのため、合奏以外で和音は出ない。しかし奏法に慣れてくれば、音楽の雰囲気によってはスライドアップ、ダウンのタイミングを微妙にずらすことで、弦楽器のスライド感やチョーキング感に近い表現することも可能だ。

専用30cm定規は、上から4本指のホールド部分、音程を記したNote部分、定規を弾くポジションを記した部分の3つからなる

 説明よりも実際の演奏を見た方が、すっきりと分かるはずだ。ある程度の年齢で、関西人のDNAの流れるロコなら、昔聞いたことのある「横山ホットブラザーズ」の「のこぎり」を使ったメジャーな芸である「お前はアホか〜」を思い浮かべるだろう。そこが理解できるなら、すでに奏法の50%は習得したも同じだ。

知ってる曲なら演奏までの習得時間は極めて短い。極めるには長い道程だ

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