宅配便の増加とハコアケ・ガジェットの進化
海外から楽器のパーツやエフェクターなどの楽器系ガジェットの衝動買いを始めたのは、1975年頃からだったので、もうかれこれ50年近く昔だ。続いてアップルのマッキントッシュ系の日本では手に入りにくい周辺ガジェットを、海外から買いだしたのが1985年前後。
そして2000年頃になると、国内でもAmazon.co.jpやヤフオク!がスタートして、さまざまなモノを買えるようになってきた。そして2020年には、コロナ禍に突入しネット通販が大きく拡大する時代となる。時々、筆者もヨドバシやAmazonの年間購入履歴を眺めてみて、何度もその額と数の多さに絶句することがある。
国土交通省によると、令和3年度の宅配便取扱個数はなんと49億5323万個らしい。単純計算すれば、国民一人当たり年間50個の宅配便に関わっている計算になる。多くのステーショナリー系メーカーがオルファの「カッターナイフ」一辺倒ではなく、次世代の「ハコアケ・ガジェット」に強い興味を示すのも当然だ。
今回、筆者が実際に買って比べて見たのは、大きく分けて「ハサミからの進化系」「カッターからの進化系」「ハサミとカッターのハイブリッド系」の3つだ。開発販売メーカーは従来のカッターナイフ一辺倒の世界から新しい世界に導こうとしている。
昨年買ったのは既にメーカーも商品名も忘れてしまったが、ハンドル部分がオレンジ色の見た目は100%ハサミの形状のモノだ。これ以降のハコアケガジェットにも踏襲された、2枚の刃の長さが少し異なるのが特徴だ。ご想像の通り、長い刃の方がハコアケのカッターナイフの役目を担う。切れ味は悪いが安全性はカッターナイフより上かもしれない。
この刃の長さの異なるハサミの共通の悪い点はハサミとして使用する場合、短い刃の方を目で見える手前にして切らないと、刃の長さの差分だけ対象物を切り残すことだ。要領の悪い筆者は、一回で切れるはずの長さを何度も二度切りする羽目になった。2枚の刃の長さは同じという既成概念がある限り、ハサミとしての機能性は確実にマイナスだ。
今年になって衝動買いしたのは、レガシーなハサミの格好をした「2Wayハサミ ハコアケ チタン・グルーレス刃 ブラック(ハサ-PT410D)」という商品(以降、2Wayハサミ)と、もうひとつは「2Way携帯ハサミ ハコアケ チタン刃 カーキ(ハサ-T420DG)」(以降、2Way携帯ハサミ)の2種類だ。超長い商品名だが、いずれもコクヨの商品でペットネーム的には「ハコアケ」というのが共通ワードだ。
いずれの商品も「2Wayハサミ」という名称で、差異は携帯型か否かという違いに感じる商品名だが、2Wayハサミは外観はハサミそのモノ。2Way携帯ハサミの方は、外観はどちらかと言うとカッターナイフ型だ。いずれもハコアケモードは、ハサミの2枚の刃の一方がカッター刃の役目を担うスタイルだ。
2Wayハサミの方は、中央のネジ部分の横にある「スライドスイッチ」を刃の先端に向かって押し出すのと同時にハンドルを握ることで、一方の刃の先端部分が露出してカッターナイフの役目もしてくれる。一方、2Way携帯ハサミの方は、上面にあるスライドスイッチを「cutter」表示の部分までスライド(押し出し)することで、重なった2枚の刃のうちの1枚がカッターナイフの役目をしてくれる。
いずれもカッター刃の役目をしてくれるハサミの2枚の刃の長さは、今回は同じだ。それゆえ、ハサミ機能として使用する場合に最初にご紹介した両刃の長さの誤差による切り損じは、ない。2Wayハサミも2Way携帯ハサミもカッターナイフとしての刃の部分のサイズが小さく、操作を誤ってケガなどする確率は低い。もちろんカッターナイフも刃の迫り出し分量をキチンと管理すれば、危険性は極めて低いのは当然だ。
生まれてからずっと衝動買いと言う悪癖のある筆者宅には、家族の注文分も合わせるとAmazonやヨドバシ.com、そのほかのネットショップから年間に250個前後の宅配便が届く。間違いなくハコアケ・ガジェットのテストには最高に適した環境だ。
ご存じのように昨今のAmazon.co.jpでは、従来の段ボールパッケージ以外にシンプルな紙袋やクッション付きビニール封筒、そして昨今は段ボール系の素材を使って開口部をミシン目入りにすることで、カッターナイフなどのツールを必要としない新しいパッケージも登場してきている。これはほかのネット通販業者も同じだ。
そのため筆者宅の様に年間250個近い宅急便が届いても、実際に開梱ツールの必要なケースは徐々に減ってきているのが現実だ。今回は旧態依然とした段ボール箱系の開梱に、レガシーでトラディショナルなカッターナイフと2Wayハサミ、2Way携帯ハサミの3つを使い実際に比べて見た。

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