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種苗開発ゲノム編集で植物ポテンシャルを最大化させるグランドグリーン

各種作物の迅速な品種改良に使える、組織再生を介さなくてもゲノム編集できる手法を開発

連載
このスタートアップに聞きたい

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最先端の多彩な品種に使えるデリバリー技術「Gene App」

 ゲノム編集とは、生物のゲノム配列の狙った場所を切断することで突然変異を起こさせる手法だ。切断した部分を自己修復する過程でランダムに変異が起こり、新しい特徴をもつ品種が生み出される。実際に変異が起こる過程は従来育種の自然変異と変わらない。

 「ゲノム編集」は元から生物がもつ特性を引き出す技術であり、本来は自然交配しない生物からも遺伝子を導入できる「遺伝子組み換え技術」とは大きく異なる。法的にも、遺伝子組み換え技術はカルタヘナ法による規制対象となっているが、ゲノム編集は任意の届け出のみで、従来の品種改良技術と同等に扱える。

 そのため、新たな品種改良の手法としてゲノム編集が期待されている一方、実際の市場作物へ適用するには、導入技術のハードルがある。

 作物には多くの種類があり、たとえばトマトだけでもその品種は無数に存在する。特に売れ筋品種は次々と品種改良され、新しい品種が作出され続けている。しかし、ラボでは扱われている系統は古い品種が多く、研究成果をそのまま最先端の品種に適用できるわけではない。

 種苗会社が改良したいのは、あくまで売れ筋の品種となる。イチから品種を作り出すのではなく、既存の品種に対して新しい特徴を付加する技術でなければ採用してもらえないのだ。

 これまでの品種改良技術では、「カルス」と呼ばれる細胞の塊を使ってそこから組織再生を行なっており、この組織再生の条件が品種によってそれぞれ違うことが品種依存の要因になっていた。グランドグリーンでは組織再生を介さなくてもゲノム編集できる手法として、植物の分裂組織に対して直接ゲノム編集し、その部分を挿し木のように増やすことでゲノム編集された種子が採れる技術「Gene App」を開発。トマトは市販されている売れ筋系統の数品種でのゲノム編集に成功しており、最短6ヵ月でゲノム編集種子が採れるそうだ。大豆やエゴマでも同じ手法で実施できており、レタスやキュウリなど、その他の野菜でも使えるとのこと。

汎用的デリバリー技術Gene App

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