コロナ禍の分断を越え、大企業協創スペースは新たなステージへ
JAPAN INNOVATION DAY 2022 「次世代につながる大企業内共創スペースの将来像を知る」レポート
高度成長期において、日本企業は基礎研究から製品化まで一気通貫型のイノベーティブな開発を実現していた。しかし1990年代以降、要素技術の高度化やビジネスのグローバル化が進んだ結果、自社リソースのみでタイムリーに市場ニーズを満たす製品を開発することが難しくなってきた。その結果生まれたのが社内外で知恵やリソースをシェアするオープンイノベーション型の製品・事業開発スタイルであり、その手掛かりを産む場として、コミュニティスペースやコラボレーションスペースが様々な場所に開設された。
イノベーションのジレンマに苦しむ大企業も新たな発想を求めて次々とそのような共創スペースを設立してきた。伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)が設立したInnovation Space DEJIMAと、株式会社三井住友フィナンシャルグループが設立したhoops link tokyoはその代表例ということができるだろう。
コロナ禍によって生じたリアルコミュニケーションの分断は、オープンイノベーションの創出エコシステムに非常に大きなダメージを与えている。Innovation Space DEJIMAもhoops link tokyoも2017年の設立であり、リアルネットワーク中心だったコロナ前からリアルとバーチャルのハイブリッド型への変遷を実体験してきた。
本セッションでは、Innovation Space DEJIMAの五十嵐 知宏プロデューサーとhoops link tokyoの下入佐 広光コミュニティマネージャーに登壇いただき、大企業内共創スペース運営の実情と、今後の展望について話を伺った。共創の現場からのリアルな声をオープンイノベーション創出の参考にして欲しい。