このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

スーパー耐久2022レポート 第1回

目指すはスーパー耐久3連覇! そしてその先へ……冨林の2022シーズンが始まる

2022年03月26日 15時00分更新

文● 吉田知弘 写真●加藤智充 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 「ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook」が3月19~20日に鈴鹿サーキットで開幕。ST-3クラスで3年連続チャンピオンを狙う冨林勇佑選手が乗る39号車「エアバスターWinmax RC350 55ガレージ TWS」は、シーズン初戦で2位表彰台を獲得した。

 シリーズの中でも激戦区のひとつと言われているST-3クラスで2年連続でチャンピオンに輝いている冨林。2022シーズンのS耐開幕前には、彼をサポートするデルタの田中代表の尽力もあり、SUPER GTの公式テストにも参加するなど、グランツーリスモから飛び出したレーサーは活躍の場を徐々に広め始めている(グランツーリスモからプロレーサーへ! スーパー耐久のデルタ田中代表が冨林勇佑にかける想い)。

 3年連続チャンピオンを狙う今シーズンは、新たに伊藤鷹志が39号車のメンバーに加入した。昨年は41号車のメンバーとして活躍していた伊藤だが、田中代表が目をかけているドライバーのひとり。将来的には、冨林のようにトップカテゴリーに挑戦できるようなドライバーに育てていきたいと考えている。

 新加入の伊藤に加え、石井宏尚、大滝拓也を含めた4人体制で、今シーズンの全6戦を戦っていくこととなる。

3年連続チャンピオンへの第一歩が始まった!

 今年も手強いライバルが出揃うST-3クラスだが、開幕戦の鈴鹿では冨林が予選から速さをみせた。Aドライバー予選で、ライバルに0.9秒以上の差をつける2分15秒600をマーク。早くも頭ひとつ抜け出る走りを披露した。続くBドライバー予選では伊藤が出走し、トップタイムこそ奪えなかったが、2分16秒451でクラス4番手につけ、総合タイムで4分32秒051となり、ST-3クラスでポールポジションを獲得。特に冨林自身にとっては、昨年の第4戦オートポリス大会から4戦連続でクラスポールとなった。

 昨年の勢いそのままに予選を終えた冨林だが、アタック中にミスがあったとのことで、自身の走りには満足していない様子。今シーズンは富士24時間レースでのクラス優勝を狙っており「富士24時間に向けて、このレースでしっかりと仕上げていきたい」と語っていた。

 迎えた3月20日の決勝レース。朝から晴天に恵まれ、ドライコンディションの中で5時間耐久レースがスタートした。

 39号車は、冨林がスタートドライバーを担当。序盤からライバルがハイペースで迫ってくるなか、まったく隙を見せない走りでトップを堅持していったが、今季から参戦を開始する25号車の日産フェアレディZのペースもよく、サイドバイサイドの末、25周目にトップの座を明け渡す。

 その後、36周目に1回目のピットストップを行ない、伊藤に交代。25号車の逆転には成功したが、逆に3番手につけていた52号車トヨタクラウンRSのトップ浮上を許すこととなった。

 それでも、チャンピオンチームの意地をみせる39号車。伊藤の第2スティントに加え、大滝が務めた第3スティントも好ペースで周回していくが、52号車との差は広がる一方で、残り1時間を迎えたところで両車の差は15秒となった。だが、最終スティントを務めるために再びマシンに乗り込んだ冨林が怒涛の追い上げを見せる。

 52号車に対して、1周1秒近いペースで差を縮めていき、残り20分の時点で9秒差まで接近。その後も攻めの手を緩めない冨林は限界ギリギリの走りをみせ、残り10分というところで5秒後方まで迫ったが、逆転には至らず5時間を迎え、2位でチェッカーフラッグを受けた。

 開幕戦優勝は成し遂げられなかったが、終始安定した走りで2位を手にし、3年連続チャンピオンに向けては、悪くないスタートを切ったのだった。

田中代表コメント

 今回はみんながペース良く安定して走ってくれましたが、強いて言うなら我々のピットワークに課題がありました。今回はメンバーを変えて、今後に向けて育てていく狙いもありましたし、何パターンか試して、どんな状況にも対応できるようにしようと思っていました。慣れていない部分が今回は出てしまいましたが、これが将来うちのチームの進化につながっていくと思っています。

 だから、冨林をはじめドライバーが悪かったわけではありません。伊藤も大滝も速さをみせてくれたし、何より最後は冨林が魅せてくれました。勝つことはできませんでしたが、このメンバーで初戦から2位を獲得できたということは、チャンピオン獲得に向けては、間違いなく好材料です。これで、次回の富士に向けては目標ができたので、今度は頂点を獲りたいですね。

冨林勇佑選手

 スタートの時は後続を引き離そうと思ったんですけど、けっこうタイヤの落ちが早くて、一度25号車には前に行かれましたが、スティントの最後には追いつくことができました。なので、ほぼビハインドなしでバトンを渡すことができました。そこで争っている間に52号車が気づいたら前にいたので、あれ? と思いました。最後は本当に頑張って……15秒くらい詰めたんですけど、あとちょっと届きませんでした。優勝はできませんでしたけど、ファステストラップも記録できて、惜しいところまではいけたので、良かったのかなと思います。

 今年は伊藤選手がBドライバーに加わりましたが、普段からコミュニケーションもとっていて、シミュレーターで一緒に練習もしています。そこのコンビネーションは問題ないと思っています。そこに大滝選手がレギュラーで加わって、いつもの石井選手もいてくれるので、最高のパッケージで今シーズンを迎えられていると思います。

 今年のST-3クラスは速いドライバーも多いですし、そう簡単には行かないと思っています。僕たちがもっと良い走りをして、クルマのセッティングもそうだし、チームワークや戦略面も、今より高い次元にいかないと3連覇は獲れないと思って、もっと僕たちドライバーができることをやっていきたいです。

伊藤鷹志選手コメント

 今年からチャンピオンチームである39号車に加わることになって、Aドライバーの冨林選手も、eスポーツから上がってきたとはいえ、走り方の幅も広くて経験豊富です。僕はS耐2年目で、鈴鹿での走行経験もあまり多くはないので、(冨林選手から)色々教えてもらいながら、走り方を修正を少しずつしていきました。予選では冨林選手の速さに助けられて初のポールポジションを経験できました。決勝に関してもクルマは良かったですけど、S耐の特徴である他クラスとの混走で抜いたり抜かれたりするところの処理がうまくいかず、大きくロスしてしまうところもありました。でも、このレースで僕自身も学ぶところもあったので、これを活かして次はもっと力強く戦えると思っています。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ