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スーパー耐久2022レポート第4回

スーパー耐久九州戦、冨林勇佑は雨の中をスリックタイヤでライバルと真っ向勝負!

文●吉田知弘 写真●吉見幸夫 編集●ASCII

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いつもと違う作戦で
必勝の態勢で挑んだS耐第4戦

 ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankookの第4戦スーパー耐久レースinオートポリスが7月30~31日に九州は大分のオートポリスで行なわれ、冨林勇佑が乗る39号車「エアバスターWinmax RC350 55ガレージ TWS」は、ST-3クラス2位となった。

 前回の第3戦SUGO(宮城)では、見事な戦略と冨林の粘り強い走りで、今季初優勝を飾った39号車。レース後は、ピットも歓喜に包まれたのだが、あくまでも今季の最大目標は3年連続のチャンピオンということで、3週間経ったオートポリスには、気を引き締め直した彼らの姿があった。

 終盤に向けたポイントランキング争いのことを考えても、ここオートポリスでは1ポイントでも多くほしいところ。そこで、デルタ田中延男代表は、Bドライバー交代という作戦に出た。

 スーパー耐久では、AドライバーとBドライバーの予選タイムを合算したもので、順位が決められ、それがグリッドとして反映される。Aドライバーは誰もが頼れるエースに成長した冨林が引き続き担当し、Bドライバーを伊藤鷹志から大滝拓也にスイッチ。是が非でもポールポジションボーナスの2ポイントを取りにいくという意気込みで臨んだ。

予選から雨になり
難しいコンディションに悩まされる

 金曜日までの専有走行では真夏の暑さとなり、ドライコンディションでセッションが進んでいたが、予選日は一転して雨模様に。前回のSUGO大会と同じように雨量が安定せず、走るタイミングによって路面状況が刻々と変わるという判断に悩むコンディションとなった。

 まずはAドライバー予選で、冨林がアタック。ウエットタイヤでのアタックとなったが、周回を重ねるごとにタイムを更新していき、最後には2分05秒037をマーク。クラストップに躍り出るのだが、52号車埼玉トヨペット GB クラウン RSが、それをさらに上回る2分04秒053を叩き出し、冨林は2番手で予選を終えた。

 続く、Bドライバー予選では、雨がさらに強くなった中でのセッションとなった。初めて39号車のアタッカーを任された大滝だが、ライバルと遜色ないタイムを記録。最終的に競り負けてクラス3番手となったが、トップから0.2秒差の2分10秒837を記録した。2人合計のタイムは4分15秒874となり、ST-3クラス2番グリッドを獲得。目標としていたポールポジションには届かなかったが、決勝でクラス優勝を十分に狙える位置につけた。

決勝レース途中から雨!
逆転に向けて秘策に出たが……

 迎えた日曜日の決勝レース。今回は5時間耐久のため、途中に3回のドライバー交代を伴うピットストップが必要となる。クラス2番手からスタートとなる39号車は、伊藤がスタートドライバーとしてマシンに乗り込んだ。

 午前11時にスタートが切られると、311号車フェアレディZ、52号車クラウンRSと激しいバトルを展開。だが、ライバルのレースペースが上回っている状態で、25号車フェアレディZの先行も許してしまい、一時は4番手に後退する。しかし、その25号車はマシントラブルによりコース脇にストップ。トップ争いから脱落してしまった。

 これで3番手を取り戻した39号車は、開始から1時間のところで1回目のピットストップを済ませる。今回も周りとは異なるタイミングでピットストップを消化していき、逆転を狙うという作戦だ。

 第2スティント担当はエースの冨林。すでにライバルは、30秒近く先行している状態だったが、開始から1時間30分のところで2番手に浮上すると、その後も安定したペースで周回を重ねていき、トップ奪還を目指した。

 開始から2時間30分が経った66周目に2回目のピットストップを行ない、ここで石井宏尚にバトンタッチ。前回のSUGOでも安定した走りをみせ、優勝に貢献したのだが、今回も重要な局面でスティントを務めることになった。

 引き続き、トップを走る52号車を追いかけていったのだが、途中からポツリポツリと雨が降り始める。路面コンディションが大きく変わるほどの雨量ではなかったが、部分的には滑りやすくなっている状態。難しいコンディションでひとつのミスも許されないという条件下だったが、石井はしっかりと自身の仕事をこなし、残り1時間15分を冨林に託す。

 103周を終えたところで、最後のピットストップを終えた39号車。しかし、この直後に雨が一気に強くなり、路面もウエットコンディションとなってしまった。この状況をみて、すぐにウエットタイヤに履き替える車両もあったが、何が何でもトップの座がほしい39号車は、雨は降り続けず、路面コンディションは回復していく方に賭け、田中代表はスリックタイヤのままでレース続行を指示した。

 これに冨林も応える走りを披露。当初は30秒以上あった52号車との差を少しずつ縮めていき、残り30分のところで17秒差にする。その後、周回を重ねるごとに52号車に近づいていった冨林。このまま行けば、ゴール直前での逆転も夢ではなく、ピット内も期待感が募っていった。

 ところが、残り30分を切ったところで、雨足がさらに強くなり、総合トップを走るST-Xクラスの車両もウエットタイヤに交換するほど。その中で冨林は粘り強く走ったが100Rでコースオフを喫してしまい、痛恨のタイムロスを喫してしまった。それでもコースに復帰すると、最後まで諦めずに追い上げを継続。残念ながらトップの背中に追いつくことはできなかったが、17.7秒差まで追いつき、2位表彰台を獲得した。

 残念ながらクラス2連勝とはならなかったが、最後まで見応えあるレースを披露。改めて、冨林の凄さを感じた1戦だった。

デルタ田中代表コメント

 「スタートでは思い描いていた戦略とは違う方向に動いてしまって予定は狂ってしまいましたけど、その後の冨林と石井がうまくカバーしてくれました。終盤の雨は判断が難しかったですけど、仮にピットに入れてウェットに換えたとしても52号車が前であることは変わりないので、スリックのまま最後まで行かせることにしました。17秒差まで縮まってきたので、このままいけば最後に追いつけるかなと思いましたが……、残念でした。本当に僕たちもギリギリですし、52号車もギリギリの戦いをしています。次は岡山大会になるので、少し時間が空きます。その間で、もう一度見直すところは見直して、また頑張ります」

冨林勇佑選手コメント

 「しょうがないですね。最後は我慢比べの状況になりましたが、こっちはプッシュしないと追いつかなかったので、プッシュしていきました。その結果、スピンしてしまいましたけど、攻め切った結果ですからね。やれることはやりましたし、戦略もうまく決まっていたと思います。今回はポテンシャル的にけっこう低かったと思うので、最後こうして争えるくらいの差まで縮めることができたので、仕方ないかなと」

大滝拓也選手コメント

 「僕は今回決勝は走らずに予選アタックの担当でしたが、(トップを)獲れそうなタイム差だったので、悔しいですね。ピットから出るタイミングも、ちょうど雨量が多い時だったりして、その辺はうまくいかなかったところもあります。次また予選を担当することになれば、そういったタイミングとかも焦らずに対応できればなと思います」

石井宏尚選手コメント

 「僕のスティントから雨がふり始めて、特に1コーナーとかはブレーキングの感触が毎周違う感じでしたけど、そんなにペースは変わらずにいけたかなと思います。もうちょっと上手くやれたかなと思うところもありました。たとえばニュータイヤでピットを出た時に、場所が悪くて他のクルマがいっぱいいるところでした。そういうところで、もう少しペースを上げられるようにしないといけないなと思います。でも、戦略的にはその場その場でうまくいっていたのかなと思います。悔しいですけど、また次頑張ります」

伊藤鷹志選手コメント

 「週末を振り返ると、このサーキットでは速さが足りなくて専有走行の段階から苦労していて、周りに色々教えてもらっていました。今ひとつハメきれずに終わってしまった感があります。ただ、前回に続いてスタートドライバーをやらせてもらえたので、気合いだけは入っていました。最初の2~3周は後ろを抑えて走れていましたけど、そこでタイヤを使ってしまって、その後はペースを上げることができませんでした。タイヤの使い方もそうですし、今週はずっとスピードがなかったので、そこは僕自身反省しなければいけないところです。次戦に向けて、改めて準備をしていきたいです」

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