人々の欲望がとぐろを巻く新宿。この街で働く人々が、確定申告時期に駆け込むのが、税理士・高橋 創が率いる髙橋創税理士事務所。開業15年目、キャバ嬢、ホスト、医師、アーティストなどあらゆる個人事業主・フリーランスの味方になり、税金の悩みに向き合い続けてきた。
ここでは高橋創税理士の経験から得た「確定申告、あるある」を基に様々なバレに配慮し、相談者の経歴やディティールの一部を変更して紹介していく。2回目の今回は、収入を最低限まで抑え、納税したくないという相談について。
相談:節税のために、なんでも経費にして収入を抑えたい!
10年勤務したデザイン事務所を退職し、フリーランスになったばかりのレイコさん(仮名・30歳)は、「会社員時代にさんざん搾取されてきたのだから、もう納税したくない!」と言う。
「先に独立した先輩が、“フリーになった方が稼げる”と言ったんです。確かにそうで、ホントに会社に搾取されていたんだな~と思います。仕事も多く、年収もそれまでの1.5倍になり売り上げも500万円を超えました」
社員時代は薄給だった。額面が28万円なのに、所得税、住民税、健康保険料などが差っ引かれて、手元に残るお金は10万円台……その少なさに愕然ときていたという。
「ですから、自分で取ってきた仕事で得た金は、びた一文誰にも渡したくない気持ちでいっぱい。税金を安くするためには、経費をたくさん積み上げる必要があると聞き、あらゆる買い物の領収書を取っておいています。今、確定申告の作業をしていて気づいたのですが、いくらまで経費として申告できますか?」


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