人々の欲望がとぐろを巻く新宿。この街で働く人々が、確定申告時期に駆け込むのが、税理士・高橋 創が率いる髙橋創税理士事務所。開業15年目、キャバ嬢、ホスト、医師、アーティストなどあらゆる個人事業主・フリーランスの味方になり、税金の悩みに向き合い続けてきた。
ここでは高橋創税理士の経験から得た「確定申告、あるある」を基に様々なバレに配慮し、相談者の経歴やディティールの一部を変更して紹介する。第3回目の今回は、フリーライターとして活躍する直樹さん(仮名・38歳)。勤務していた出版社を辞めて10年目となる。
相談:もらった白紙の領収書の使い方
有名大学を卒業したのに、零細出版社の内定しか得られなかった。しかし、マスコミの仕事をしたいという一念で、深夜のサービス残業にも耐えて、ノウハウを取得したという。
「このままじゃダメだと思って、営業しまくって、どんな依頼も受けていました。それからどんどん売り上げが上がっていき、今は1000万円を超えました」コロナ禍にも関わらず、売り上げは上がり続けた。ただ、それと共に支出も増えていき、貯金はゼロ。
「一応、確定申告をしていています。今年は時間の余裕もあり、去年の納税額を振り返ったら、めっちゃ税金を払っているんですよ」
そこで、確定申告の本を読み節税を試みようとした直樹さん。「今年は外食もなかったし、接待交際費が少なかったんです。そのことを知り合いの店で話したら、“白紙の領収書、あげるよ”と何枚かもらったんです。これって、どうやって使えばいいんですか? 10万円とか書いちゃっていいんですかね?」


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