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Honda RACING THANKS DAYレポ

歴代F1マシンで振り返るHondaモータースポーツ激動の歩み

文●栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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トロ・ロッソ STR13(2018年)

 マクラーレンと袂を分けたHondaが新たに手を組んだのは、スクーデリア・トロ・ロッソS.p.A.。2005年11月1日、エナジードリンクメーカーであるレッドブルがF1チームのミナルディを買収して設立した、レッドブル・レーシングのセカンドチームでした。前年までルノーのパワーユニットを使っていたレッドブルとトロ・ロッソは、そのパフォーマンスに不満を抱いており、関係は悪化。Hondaに白矢を立てたと言われています。一方のマクラーレンはパワーサプライヤーにルノーを選んだことから、「マクラーレン・ルノーVSトロ・ロッソ・ホンダ」という図式として注目を集めました。

 準備期間の少なさから、前年までのSTR12をベースにエンジンとギアボックスまわりを変更した仕様。外観上では、この年から義務付けられたHELO(ヘイロー、ドライバーの頭部保護のためのパーツ)が取り付けられたほか、ノーズが変更されました。ドライバーはピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレイの組み合わせ。

 シーズンを通してSTR13の熟成不足やセッティングに悩まされたことに加え、Honda側も翌年からのレッドブル・レーシングへのPU供給を視野に入れた実験的要素が強く、パワーユニットのコンポーネント交換はシーズン折返し前で年間最大基数の2倍となる11基に。ですが、この甲斐もあって信頼性は大きく向上。またマシントラブルによる決勝リタイアや4位入賞など紆余曲折ありましたが、コンストラクターズのランキングは9位に終わったものの翌年への希望を感じさせる1年でした。

トロ・ロッソ STR14(2019年)

 この年から親チームであるレッドブル・レーシングがHondaのパワーユニットを使用することから、レッドブル・テクノロジーとスクーデリア・トロ・ロッソの協力関係が強化。共通パーツが多く使われたマシンとなりました。ドライバーはピエール・ガスリーがレッドブル・レーシングへ昇格したことから、ダニール・クビアトと新人アレクサンダー・アルボンへチェンジ。ですが、ガスリーは13戦目からアルボンとトレードされる形でトロ・ロッソに戻ってきました。

 クビアトがドイツGPで3位、ガスリーがブラジルGPで2位とシーズンで2回表彰台を獲得するなど、前年と違いパフォーマンスが向上。コンストラクターズポイントも、チーム史上最高の85ポイントを稼ぎ出し、コンストラクターズ・ランキング6位(チーム最高位タイ)を獲得。チームが最も成功を残したシーズンとなりました。そして翌年からチーム名を「スクーデリア・アルファタウリ」へと改名することが決定。STR14はトロ・ロッソの名を不変のものにしたマシンとなりました。

レッドブル・RB16(2020年)

 2019年からHondaとパートナーシップを結んだレッドブル。その2年目を迎え、シャシーとパワーユニットのトータルパッケージが強化されたモデル。デザイナーはエイドリアン・ニューウェイで、彼らしいハイ・レーキ(前傾姿勢)のフォルムが特徴的です。ドライバーは前年に引き続き、マックス・フェルスタッペンとアレクサンダー・アルボンのコンビですが、シーズンを通してエースのフェルスタッペンに対し、アルボンはパフォーマンスが上がらないことが多々ありました。

 スピードではメルセデスに一歩及びませんでしたが、第5戦の70周年GP、最終戦アブダビGPでフェルスタッペンが優勝。シーズン通して2位6回、3位3回の成績を収めてドライバーズランキング3位、コンストラクターズポイントも2位でシーズンを終えました。

アルファタウリ・AT02(2021年)

 Hondaとのパートナーも4年目。パフォーマンスも向上し、中堅の仲間入りをはたしたアルファタウリ(トロ・ロッソ)。AT02は、前年のAT01から基本設計を引き継いだマシンです。外観上での違いはレギュレーションによるマシン後部のダウンフォースの削減といったエアロ関連。フロアー面積の縮小やミニウイングの廃止、ディフューザーの垂直スプリッターも短くなりました。一方、スワンネック形状のリアウイングステーは2本へと増やされました。ドライバーはピエール・ガスリーと、2014年の小林可夢偉以来となる日本人ドライバーの角田裕毅。

 Honda F1最後の年ということもあり、Honda側の開発も予定より早く投入した技術も多く、表彰台はガスリーの3位が1回のみでしたが、随所で速さを見せました。写真は日本グランプリで走行する予定であったスペシャルカラー。しかし、新型コロナウィルス感染拡大の影響により2年連続で中止が決定。Hondaのパワーユニットラストイヤーの日本グランプリを、日本人ドライバーが走行することは叶いませんでした。

レッドブル・RB16B(2021年)

 その名のとおり、2020年のRB16の延長線上のマシン。昨年問題視されたギアボックスとリアサスペンションに関わる開発が行なわれたことで、トラクション不足とスタビリティー不足という問題は解消されました。ドライバーはマックス・フェルスタッペンとレーシングポイントから放出されたベテランのセルジオ・ペレスの2名。プレシーズンテストから好調で、シーズン序盤こそ戦略ミスなどによりメルセデスにリードを許してしまうものの、第5戦モナコGPから第9戦オーストリアGPにかけて5連勝を記録。ホンダのエンジン(パワーユニット)搭載車では1988年以来、レッドブル・レーシングにとっては2013年以来となる快挙を成し遂げました。

 その後もHondaとレッドブル・レーシングとのタッグ50回目となるベルギーGPで優勝するなど、フェルスタッペンはシーズン通算10勝を記録。コンストラクターズ・タイトルは逃したものの、フェルスタッペンのドライバーズ・チャンピオン初戴冠に貢献しました。写真のカラーリングは、鈴鹿グランプリの代わりとして開催された第16戦トルコGP仕様。1965年メキシコグランプリで優勝を飾ったRA272を模した特別デザインです。

★★★

 最初は走ることすらままならなかった状態から、ドライバーズタイトルを獲得するに到るまでの7年間の歴史をマシンとともに振り返る展示は、おそらく初めてのこと。Hondaファンとしては、そしてF1ファンとしては「撤退はもったいない」と誰もが思ったハズ。Honda第5期があるのかわかりませんが、また戻ってきてほしいと思うのは筆者だけではないハズ。その日まで首を長くして待ちましょう!

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