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超小型EV×走行データ解析、出光興産とスマートドライブが二人三脚で進める新たなモビリティ社会の実現

出光興産 モビリティ戦略室 次長 福地竹虎氏×スマートドライブ 代表取締役 北川烈氏

連載
JOIC オープンイノベーション名鑑

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バッテリーの生データ活用という未開拓の分野を目指して

──両社の取り組みでの今後のビジョンについて教えてください。

福地 実際に車両が街を走り出すようになると、データも変化してくることでしょう。これまでにも移動データを取得してきていますが、経験を踏まえて解析のアプローチを変えるなどしながら、サービスも変えていく必要があると考えています。

 特に重要なのがEVのバッテリーの生データであり、これと移動を紐付けるというのは未知の領域になるので、どのようにサービスに活かしていくかによって、新たな価値の創造につなげることができるはずです。

 例えば、車の稼働率が上がることで、バッテリーの劣化にどのような影響を与えるかというのは、実はまだ誰もわかっていません。つまり、バッテリーの価値を正当に評価できていないのがEVの現状であると言えるわけです。そのような課題を、我々の力で変えていきたいですね。また、運転データについてもさまざまな角度から解析することで、新しい各種の提案やサービスへとつなげていけるのではないかと期待しています。

──最後に、お二人からオープンイノベーションに求められる意義や価値についての意見をお願いします。

北川 当社のようなスタートアップ企業というのは、ある1つの分野に尖っているものなので、それをそのままビジネスに当てはめたとしてもすぐに価値を生み出すことはできません。そのため、オープンイノベーションによって出光興産さんというパートナー企業の目線で一緒に考えながら、どのように世の中のニーズにアジャストさせていけばいいのかを考えることには、とても大きな意義があるのです。

 これまで多くの企業とパートナーシップを結んでいますが、正直言って出光興産さんほどワンチームとして取り組んでくれた企業はありませんでした。どうしても多くの場合は我々に対して外注感が出てしまうので、ここまでスピーディーにことが運ぶことはまず不可能でしょう。

福地 ある意味、企業の規模が大きくなればなるほど、実は一人ひとりに任されている分野は狭かったり、さらには組織の部品のような存在となってしまったりといった傾向が強くなるのではないでしょうか。だからこそ、スマートドライブさんのようなスタートアップ企業をはじめ、他の企業とコラボレーションすることは必然とも言えます。もはや、一社ですべてを完結できる時代ではないのですから。

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