空飛ぶクルマなど新しい日常を築くテック企業8社
内閣官房(コロナ室)、内閣府(科技)主催「ニュー・ノーマル・テックピッチ」開催
スポーツ&エンタメ領域のDXを実現するプラットフォームサービスを開発
playground株式会社は、2017年に創業。「夢を与える仕事を、夢の職業に」をミッションに掲げ、スポーツとエンタメ領域のDXを通じて、業界の収益性や携わる人の給与を上げることを目指している。
そんな同社が開発したのが、エンタメDXプラットフォーム「MOALA」だ。ライブ配信やチケット販売、グッズ販売等の機能を自社サイトとして一括で立ち上げられる販売のDXサービス「MOALA Live Store」や、アプリ不要でイベント特性に合わせた電子チケットを発券でき、収益性の向上や効率性のアップに役立つデジタルネイティブなサービス「MOALA Ticket」などがある。MOALAを導入することで、スポーツ・エンタメの本格的なDXが可能になると代表取締役の伊藤圭史氏は話す。
コロナ禍における今回のニュー・ノーマル・テックピッチに合わせて、 MOALA Ticketを中心にサービスの仕組みを説明した伊藤氏。MOALA Ticketは、コンビニで紙のチケットが発券されて以降、必要とされるビジネス要件をデジタルネイティブに見直して、各機能を包括的に盛り込んだサービスだ。例えば、来場者の登録やグッズ付きチケットの引き換え、チケット購入者が行けなくなった場合の2次流通の機能などがある。
また、入場する際は「MOALA QR」という入場認証技術を使い、QRコードと顔をiPadにかざすだけで、本人確認とチケット確認、発熱のスクリーニングを1.5秒以内に行なうことができる。その結果、入場に必要なスタッフの数や現場のリスクを減らすことが可能になるという。
コメンテーターの石井氏からは「入場認証技術では説明にあった通り、生体情報を保持しない点が肝だと思うが、データの分析や活用はしないと割り切っているということか」と質問があり、伊藤氏は「正確には、入場の現場では生体情報を保持しないことで、iPadの盗難や通信の傍受に伴うリスクを排除することができる。それとは別に、情報をどのように活用するかは興行元とディスカッションしての判断になる。完全に削除することも可能だが、不正転売防止等に活用することもできる」と話した。
医療機関と患者双方の負担を軽減する医療システム
メディカルデータカード株式会社は、2014年に創業した慶應義塾大学医学部発のベンチャー企業で、2020年には中部電力株式会社の出資を受けて連結子会社に。医療分野においてICTの技術を活用し、優れた医療システムに貢献していくことを目標にしている。
同社の課題意識として、高齢化社会の到来にともない社会保障費が増加していることを登壇した専務執行役員 営業本部長の間瀬敦史氏は挙げる。そこで開発したのが、医療機関と患者がスムーズにコミュニケーションを取れるサービス「MeDaCa」だ。
たとえば、これまで慢性疾患で来院した患者の血液検査を行なう場合、採取した血液の検査には時間がかかるため、結果を伝えられるのは次回来院する1~2ヵ月先になっていた。しかしMeDaCaを導入することで、検査結果をタイムリーに伝えられるようになり、患者の治療継続のモチベーションにつながるだけでなく、医療機関も疾患のコントロールをしやすくなるという。
また、ビデオ通話機能も導入しており、対面と同じように検査結果を映して患者の表情を見ながらコミュニケーションを取ることもできる。コロナ禍において検査結果を聞くためだけに来院する必要がなくなるのは大きなメリットだ。現在は、患者が服用する薬の情報を管理できる機能も開発中だという。
コメンテーターの佐藤氏からは、「このサービスを病院へ営業するのはかなり大変そうだと感じたが、苦労している点や工夫している点を教えてほしい」という質問があり、間瀬氏は「まずはしっかり実績を作ることが重要だと考えている。慶應義塾大学病院をはじめとしたフラッグシップになる病院を作ることを目指したい。さらに、中部電力株式会社の子会社ということで、愛知県の藤田医科大学病院にも導入されている」と話した。