あまり確証はないが、筆者が初めて本体にUSB Type-Cコネクターの付いたスマートフォンを手に入れたのは、2016年末の“HUAWEI Mate 9”が最初だったような記憶がある。
あれから数年の間にAndroidスマホの多くは、Type-Cポートを搭載した機種が大勢を占めた。スマホワールドだけを見る限り、差す時に毎回プラグの向きチェックの必要なmicroUSBなんか忘れて、Type-Cさえ押さえておけば何の不自由もない時代になったように思える。
しかし、筆者の大好きな多くの楽しいガジェット系デバイスを見ると、まだまだレガシーで安価なmicroUSBポートを搭載した製品が多い。残念だがそのデバイスの充電だけのために、いまだにmicroUSBケーブルを保有している。さらに運の悪いことに、筆者は最初にトライした向きがたいてい反対だ。
ご存じの方も多いだろうが、USBプラグで最初に登場したリバーシブルケーブルは、今も多くのデバイスが採用しているmicroUSBプラグではなく、パソコン側やACアダプター側に挿すホスト用Type-Aプラグだった。
Type-A側なら当時はAndroidスマホもiPhoneも同じType-Aを採用していたので、より大きな市場が見込めると踏んでいくつかのケーブルメーカーやプラグメーカーが、“フリッパー”と呼ばれるニックネームのリバーシブルなType-Aプラグの商品を販売した。しかし期待に反して商品はさっぱり売れなかった。
理由は極めて単純なことだった。Type-A側はリバーシブルで解決しても、反対側のmicroUSBはその時点ではリバーシブル対応できていなかった中途半端な商品だったからだ。
当時のUSBケーブルの需要の主たる目的は充電で、多くのスマホユーザーは自宅やオフィスでは今と同様、Type-Aプラグ側はパソコンのUSBポートやACアダプターに差しっぱなし。頻繁に抜き差しするのはスマホ側のmicroUSBプラグだった。
ノン・リバーシブルなら確率的に考えれば正しく挿さる確率は半々、挿抜回数の少ないType-Aでは決して画期的な発明ではないように感じるはずだ。誰でも少し考えてみればすぐにわかりそうなものだが、国内外の多くのメーカーや商社が大発明のように感じて一気に市場に突入して、悲しい結末を迎えた。
今回の両面差しmicroUSBケーブルは例によって、筆者が暇に飽かして秋葉原バックストリートを定期回遊していて偶然見つけた便利グッズだ。ケーブルの両端に“リバーシブルなType-Aプラグ”と“リバーシブルなmicroUSBプラグ”の両方が取り付けられた充電・データ転送対応のUSBケーブルだ。

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