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T教授の「戦略的衝動買い」 第601回

ポインティングスティック搭載のキーボード「Quattro TKL」を衝動買い

2020年10月01日 12時00分更新

文● T教授 撮影●T教授 編集●ASCII

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交換用のポインティングスティックのキャップは本体に取付済み分を含めて全部で8個。カラーはオレンジとブルー

 届いたQuattro TKL(日本語JIS配列)は、同社のMaestroキーボードからテンキー部分を取り去り、高感度、静電容量式ポインティングスティックを搭載した省スペースキーボードだ。Quattro TKLのスティックは筆者が今まで見たポインティングスティックの中ではもっとも背丈が高く、それに準じてキャップも背丈の高いモノだった。

出荷時にはオレンジ色のキャップが付けられている

 Quattro TKLが実際に使用しているメカ部品およびロジックは、ThinkPadのトラックポイントとはまったく異なるものだ。Quattro TKLのポインティングスティックの操作方法はTrackPointと同じ。飛行機の操縦桿のように指先で周囲全方位に操作した際に発生する微小な荷重変化を2次元センサーで検出し、マウスカーソルの移動方向と移動量へ変換することで、マウス同等の操作を実現するものだ。

GとHとBのキーキャップを付属のキー引き抜き工具で引きはがすとチェリーのMX青軸キースイッチが露出する。ポインティングスティックはTrackPointに比較して長い

斜めから見てみるとポインティングスティックの軸の長さはTrackPointの数倍ありそうだ

 しかし、TrackPointの一番の特徴であり差異は、加速度の制御アルゴリズムがスティック本体に加えられた力の強弱を分析、解釈し、一気に遠くまでカーソルを飛ばしたり、極めて微妙なドット単位の移動を認知実行出来る点だ。

当然のことだがポインティングスティックのキャップもTrackPointの従来品と比較しても2倍以上長い

 実は、届いたばかりのQuattro TKLは、スティックを操作しても、上方向と左方向の動作はスムーズであったが、右方向と下方向は思いっきり指先に力を加えなければカーソル移動が困難な状態だった。特に右下方向にはより一層の力が必要だった。

筆者が過去から現在までのTrackPointで使っているキャップ(右から6個)の何れと比べてもQuattro TKLのキャップは長い

 TrackPointでは未経験のことで、筆者はその不安定な動作の理由がわからず、初期不良交換か修理を依頼した。その後、調整修理の終了したQuattro TKLを受け取ったが、やはり右下方向への移動は他の方向と大きく異なり、カーソル移動のために指先に大きな力が必要だった。

ポインティングスティックのカーソル動作を調整するプラスねじは、PCと接続するミニUSBケーブルのそばに"DO NOT REMOVE"のシールを剥がすと見つかる

 修理調整から戻ってきたQuattro TKLは、背面にある"DO NOT REMOVE"と記された丸いシールを剥がして、プラスドライバーで調整した後があったので、今回は自己責任ということで何回か自身で調整を試みてみた。

筆者のThinkPad X390に外付けキーボードとしてQuattro TKLを接続して半日ほど調整で時間を潰した

 調整の効果もあり、結局、最終的には右下へのカーソル移動も何とかうまくいくようになり、実際にQuattro TKLを使って数回分の連載原稿を書いてみた。毎回、原稿は2000〜4000文字なので、かなりの分量をQuattro TKLで書いたことになる。

お約束のキー機能の配置変更も可能だ。あいにく筆者は変更したい箇所はなかったのでほぼ全部を使っていない

キー機能の変更で配置変更をしたら忘れずに背面にある4つのDIPスイッチで指定された変更をする

 幸いにも筆者はQuattro TKLのデフォルトキートップ配列でまったく問題はなかったが、キー配列を変更したいユーザーは、そのための交換キートップとそれを実現するためのDIPスイッチがキーボード背面に用意されている。

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