最新パーツ性能チェック 第311回
フルHD、WQHD、4K時における性能をDXR&DLSSの有効・無効時でどう変わる?
GeForce RTX 3080 FEは4Kで輝く!RTX 2080 Ti/2080/GTX 1080とゲーム13本で徹底検証
2020年09月17日 15時00分更新
超人気ゲームMinecraftでも絶大効果のDLSS
Windows 10のストアー版「Minecraft」のβ版(Minecraft with RTX Beta)でも試してみる。DXRが無効の状態と有効の状態で描画距離設定(チャンク数)が大きく異なるため、ここではDXRを有効にした状態でのパフォーマンスのみを掲載する。描画設定はデフォルト(チャンク数=8)とし、マーケットプレイスで配布されている「Portal Pioneer RTX」を利用した。ゲームに用意されたトロッコを動かし、その時のフレームレートを「CapFrameX」で測定した。DLSSのオンとオフでどれだけフレームレートが変わるかに注目だ。
このゲームはまだ描画が安定しない面が多々あり、フレームタイムの振れ幅がほかのゲームに比べて極めて大きい。全解像度を通して、最低フレームレートがDLSS無効時は30fpsと60fps近辺、DLSS有効時だと60fpsと77fps近辺に収束しているのはこのためだ。
一方、平均フレームレートだけに注目すると、GeForce RTX 3080 FEなら4Kでもほぼ 60fpsキープに近い値が出ている点に注目したい。ただし、実際の画面描画はスタッターが激しくフレームレートほど滑らかとは感じない。この辺はまだエンジンの改善が必要と思われる。
もっともチャンク数を上げると大きくフレームレートが落ちてしまうので、今回試したようなチャンク数最小設定時の結果をもって快適プレイと言うのは少々気が引ける。だが、GeForce RTX 3080 FEならより快適に遊べるし、描画負荷が高るほどにGeForce RTX 2080 FEの2倍に近づくことも確認できた。
Wolfenstein: YoungbloodでRTコアとTensorコアを同時実行
実際のゲームベースで実施する最後のベンチマークは「Wolfenstein: Youngblood」を使用する。「metacritic.com」でも微妙な評価のゲームだが、実装されているグラフィック技術は群を抜いている。DXRはもとよりDLSS 2.0、さらに「NVIDIA Adaptive Shading」といったNVIDIAの最新技術が積極的に投入されているからだ。
今回はAmpereアーキテクチャーの改良点のひとつ「RTコアとTensorコアの同時実行(Async Compute)」に対応したβビルドへのアクセスが許可された。Async Computeに対応しない原稿執筆時点での正式ビルド(20200203)と、Async Computeに対応するβビルド(20200825)でどれだけフレームレートが変化するか調べてみた。
画質は最も重い「マイン・レーベン!」とし、レイトレーシングとDLSS(クオリティー)を有効とした。ゲーム内ベンチマークの「リバーサイド」を実行した時のフレームレートを比較する。
RTコアとTensorコアの同時実行に対応しないTuring世代、今回で言うとGeForce RTX 2080 FEとGeForce RTX 2080 Ti FEの最低フレームレートでは、βビルドのほうが微妙に低く出るようだが、ほぼ変わらないといっていい。しかし、GeForce RTX 3080 FEの平均フレームレートでは高く出ることが確認できたが、「劇的」と言うほどの変化はなかった。NVIDIAによる「GeForce RTX 30 Series Tech Session」でも、同時実行しなかった時に比べて同時実行時のフレームレートは133fps(7.5ms)→149fps(6.7ms)と解説しているので、数値的には妥当なところと言える。
ただし、今回はGeForce RTX 3080 FEのフルHD時ではβビルドだと、最低フレームレートが極端に低くなることがわかった。RTコアとTensorコアを同時に動かしても描画負荷が低すぎると効果が出なくなると考えられる。

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