世界最大の地下研究所で見つかった新しい素粒子
このコラムを書いている今は6月中旬なのですが、ひっさびさに“素粒子ネタ”が飛び込んできました。なんでも、国際実験チーム『ゼノン』が、“未知の素粒子”を観測にて捉えた“かも”しれないそうです。はい未知の素粒子きました。未知の素粒子がなぜそんなに話題になるのか、ってことですが、個人的には“宇宙を支える物理法則の根本が分かりそうだから”だと思います。物理の世界の根源って、まだまだ分かっていないことが多いため、未知の素粒子の正体なんかが分かった日には、「こっ、これで大本の謎が少し解けるかも……っ!」って研究者さんたちはなるんですね。私たちが地に足をついて生活できているのは、地球の重力のおかげですが、その重力にも素となるものがあり、さらにその重力を支えるもっと大きな重力なんてものもあるワケですから。その根源の根源を解明するために、日々研究者さんたちとたくさんの装置が働いているのです。
さて、今回見つかったかも? と言われている素粒子は『アクシオン』です。未知の素粒子なのになんでそれがアクシオンって分かるんじゃい、とツッコミたいところですが、いろいろな物理現象が“なぜこうなっているのか?”を探っていく仮説の上で、「こういう物質があるかも!」って予測されているものがあるんですね。そのひとつがアクシオンなのです。
アクシオンは、太陽から出ているらしい素粒子で、みんな大好きダークマターの候補のひとつとも言われています。また、この存在が分かったら、物理学(素粒子物理学)の標準理論(素粒子の相互作用理論)の未解決問題を解決するとも言われています。なんだかこれだけで、アクシオンは万物の根源を理解する上でなんか必要そうなのが分かります。個人的に一番すごい展開を招きそうなのが、今まで正体不明だからこそダークマターって言われていたものが、これで「アクシオンでした!」ってわかることですね!
このアクシオン候補はどこでどうやって捕まえられたんでしょうか? 参考までに、素粒子のひとつ“ニュートリノ”は、岐阜県の飛騨山中にあるカミオカンデで捕まえて(検出して)いますが、似たような場所なのでしょうか?
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