このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

石川温のPCスマホニュース解説 第81回

ドコモ、菅官房長官の値下げ圧力が悩みの種に

2020年07月07日 09時00分更新

文● 石川温 編集● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

●「サブブランドを作ることはしない」で一貫しているドコモ

 一方、NTTドコモは、今のところ、サブブランドを作る気配もない。吉澤和弘社長は就任以来、「サブブランドを作ることはしない」と一貫している。

 NTTドコモがサブブランドを作れば、業界に与える影響は相当、大きいだろう。NTTドコモからわざわざMNPしてMVNOに移行する人もいなくなるはずだ。これまで、MVNOを推進してきた総務省としてもNTTドコモからサブブランドが出てくることは望まないのではないか。一方でNTTドコモとしても二極化するユーザーに対応し、安さを求めるユーザーに逃げられないためにもサブブランドを作りたいというのが本心かもしれない。

 もちろん、世界的に高いとされる日本の通信料金を劇的に下げるには、NTTドコモが大幅な値下げをしないことには、調査の結果は変わらない。NTTドコモとしてはメインブランドでは値下げをせずにサブブランドで安価な料金プランを作り、楽天モバイルやUQモバイル、ワイモバイルに対抗するのが理想的なはずだ。

 菅官房長官からの値下げ圧力がある中、NTTドコモとしては、サブブランドを作るのか、作らないのか。吉澤社長にとっての悩みの種と言えそうだ。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン