コグニティ、オンライン商談時の営業トークをAIが検定する「テレ検」
成約につながるトークかを検定
コグニティは7月1日、テレワーク拡大に伴いオンライン商談が急増していることから、オンライン商談時の営業トークをAIがチェックし、成約につながる営業トークかを検定する新サービス「テレ検(テレケン)」の提供を開始した。
本サービスの利用者は、従来実施してきた商談トークがテレワーク上でも通用するかを検定することで、新たな営業手法となるオンライン商談トークのスキル向上が期待できるという。
本サービスの提供開始に先立ち、同社は対面商談とオンライン商談の成約率の差に関する調査を実施。企業のオンライン商談時のトークと、従来の対面商談時のトークを同社サービス「UpSighter(アップ・サイター)」によって比較。オンライン商談で必要なトークの要素を明確にすることを目的に実施した結果、オンライン商談では相手の表情が見えない・反応がわからない分、時間が短くても充実した情報を準備し、確認のための質問を増加させることが重要だということが明らかになったという。
商談トークの構成を分析したところ、成約したオンライン商談の平均値として「数値などの客観情報」が全体の7%ほど説明されていることに比べ、失注した商談の平均値は0%だった。比較して、対面商談で成約した商談での平均値は1%に留まり、失注した商談の平均値が6%となり、オンライン商談と逆転した結果が見られた。
オンライン商談は対面商談に比べて、平均的に12%ほど短い時間で実施される傾向にある。しかし成約したオンライン商談では、売り手側の話す量が約13%増加しており、短い時間でも情報量の多い商談が実施されていることがわかった。また、オンライン商談では、買い手側からの質問回数が8%程度減少することがわかった。しかし、5W1Hを問うようなオープン質問については、成約したオンライン商談に限っては回数が増えたという。
その他、繰り返される話題の量・使われた用語・質問種類別の特徴など全12項目で特徴が見られ、オンライン商談では売り手主導の内容で成約に結びつく傾向が明らかとなったという。対面商談の場合、ちょっとした「間」や表情で相手の理解度を見ながら商談を進めることが可能だが、オンライン商談ではそれらが難しくなっていることも、これらの特徴を生み出していると予測。相手の反応がわかりづらい分、短時間でも充実した情報を提供できる準備がオンライン商談には必須だとしている。
これを踏まえコグニティでは、今回の調査結果で判明した「テレワークでの商談に必要なトーク要素の有無」を検定し、自身のトークの課題を抽出することで営業トークが改善できるテレ検の提供を開始。本サービスを利用した企業は、「対面で実施してきた商談トークがオンラインでも通用するか」をチェックすることで、成約につながるオンライン商談トークのスキル向上が見込めるため、新たな営業手法の早期定着・戦力化が期待できるという。また、より多くの企業が利用できるように費用を抑え、文字起こしと同程度の料金で分単位の利用を可能とした。
今回の対面商談とオンライン商談の差異の調査には、コグニティが主力サービスとするAI解析サービスUpSighterを使用した。UpSighterは、録音・アップロードされた業績上位者のトークを自動解析し、模範となるトークのパターンを検出。“キャラ売り”や“雰囲気の良さ”で好成績な人と、誰もが改善できる情報構成のパターンを見分け、改善効果の高い指導方針を提示することが可能。また、検出されたトークパターンを使ってアルゴリズムを開発し、AIによって業績上位者とのトーク差分が明示された「自動フィードバックレポート」を一人ひとりの従業員に提供する。
UpSighterの活用により、業績上位者と比較した自分のトークスキルを定量的に把握できるだけでなく、理由づけやデータ・事実情報の提示不足など具体的な改善点が提供できるため、口頭のみの指導よりも納得感が高く、新人の営業成績の改善が早いといった評価や、成績に伸び悩むシニア従業員への指導が楽になったとの評価を受けているという。また、新人に向けた指導結果として、電話でのアポイントメント獲得率が64%から78%に上昇したという実績もあるとしている。
テレ検は、このUpSighterの簡易版としてオンライン商談のフィードバックに特化しており、オンライン商談による成約率の向上を目指す企業や個人を対象としたサービス。商談中の会話を録音しアップロードするだけで、AIによるフィードバックが受けられる。また、申込みから利用・決済までの全てがオンライン上で完結する。