ほかのC-HRとの世界観の違いが
歴然だった「C-HR GR SPORT」
トヨタのクロスオーバーSUV「C-HR」のマイナーチェンジでスポーツグレードの「GR SPORT」が追加されました。GR SPORTといえば適度なスポーティー感と乗り心地を高次元で両立させ、ヴィッツや86のみならず、プリウスやノア、ボクシーなどにまで設定される人気グレードです。
C-HRというクルマ自体も、デビュー前にニュルブルクリンク24時間レースに参戦するなど、高いポテンシャルを秘めたモデルです。ただ、実際に乗ると「SUVとしてはよく走る」クルマとしての評価が多数。この「SUVとしてはよく走る」という部分が曲者で、コーナーリングの際のロールやブレーキングでの前後の沈み込みなどがあっても許容してしまうような評価なのです。
そんな評価を気にしながらも、C-HR GR SPORTの試乗ができるということでトヨタモビリティ東京の吉祥寺店へ向かいました。そこで実車を前に説明を聞きます。
GR SPORT全車に言える特徴の一つがボディー補強。C-HR GR SPORTのボディー補強はフロアトンネルのセンターに設けられたフロアセンターブレースです。よくカタログやウェブサイトに載っているフロアセンターブレースの写真はわかりやすいように色付けされていたり、周りをぼかして強調されていたりしますが、実際にクルマをリフトアップして現物を見ると「えっ? これ?」というほど目立ちません。これで効くの? と吉祥寺店の店長さんに質問をぶつけてみると「販売店向けにサーキットで研修がありましたが、間違いなく効いています」と即答!
C-HR GR SPORTは19インチタイヤを履くことが前提で、各種の剛性やサスペンションのセッティングをしています。この225/45R19のタイヤのために、フロントとリアを同時に剛性アップさせる最適な位置がこの場所で、鋼材の厚さ、幅、形状もすべて最適化されているとのことです。
前述したとおりサスペンションも、スプリングやショックアブソーバー、スタビライザーにいたるまで専用チューニングとなっています。元々クロスオーバーSUVであるC-HRは、サスペンションストロークが長めに設定されていたためにマイナーチェンジ前は大きめなボディーの左右ロールを許容してしまっていましたが、GR SPORTではその部分を引き締めているので、左右のロールや前後の沈み込みは抑制されながらも「よく動く脚」と表現するくらいの変化があります。しかし、せっかくの専用チューニングサスペンションですから、せめてスプリングだけでも色付けしてほしいなと感じました。
19インチのアルミホイールはデザインがよく工夫されていて、高い強度ながらもスポークは細身となっており、ブレーキ部分がよく見えます。このよく見えてしまうブレーキのキャリパー部分は専用塗装となりフロントブレーキのキャリパーにはGRのロゴが入ります。
そんな19インチを装着したC-HR GR SPORTの外観は、カッコよすぎです。フロントアンダーグリルの中央を走るシルバーメッキのグリルバーや、バンパー左右のGRモデル共通意匠であるフォグランプベゼルは力強さを象徴しているかのようです。
またエンブレムはハイブリッド車であっても、青い縁のあるハイブリッド用のエンブレムではなくスポーティーなブラックベースのエンブレムとなっています。
インテリアに目を移せば、最初に目につくのはGRロゴの配された専用のスポーツシート。これは腰部と肩部の張り出しが大型化されてホールド性が高められており、また背もたれ部分の硬さの分布も工夫されており、長時間の運転でも確実に身体を保持します。
ステアリングにも工夫があり、上部と下部で断面の形状に違いがあります。上部の断面は真円に近い形状ですが直径は細めになっています。10時10分のあたりに太めのグリップがあり、交差点などで大きくステアリングを切るときは太めのグリップから細めのグリップへの移行がスムーズにできるのです。下部は高速巡航時に楽な姿勢を取りやすいように円を潰したような形状です。ステアリングの断面に大きな変化をつけることで操作性を大きく向上させているのがわかります。
メーターパネルやスタートスイッチ、フロアマットにもGRロゴが配されており、乗るだけでも気分の高まりを感じていくような仕掛けとなっています。
ここまで通してC-HR GR SPORTを見てわかったことは、「手抜きはしません!」と言わんばかりの充実ぶりです。
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