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「すばやく動き、世に問うていく」 NTTコミュニケーションズの新規事業創造

新規事業創出支援プログラム「BI Challenge」

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外の声を聞き、社内のアイデアを事業化へつなぐ

 ネットワークやクラウドサービスのほか、AI、IoTなどITの幅広い領域で事業を展開しているNTTコミュニケーションズは、2019年7月1日に設立20周年を迎えた。同社が特に力を入れている取り組みの1つが、昨今の通信サービス市場の急激な変化に対応するための新規事業の創出だ。そのひとつとして、2018年10月より「新規事業創出支援プログラム」(通称「BI Challenge」)を実施している。立ち上げから1年経っていないにもかかわらず、開発中のプロダクトのいくつかはSXSWなど国内外の展示会で出展され、着々と事業化へと進んでいる。

 「大企業の社内イノベーションは難しい」と言われるなか、どのようにプログラムを構築していったのか。BI Challengeを運営する経営企画部 ビジネスイノベーション推進室の大貫 明人氏、山本 清人氏、湊 大空氏に、BI Challenge制度の特徴や現在進行中のプロジェクトについてお話を伺った。

(左から)経営企画部 ビジネスイノベーション推進室 主査 山本 清人氏、担当課長 大貫 明人氏、湊 大空氏

新規事業創出支援プログラム「BI Challenge」で社内のアイデアを事業化

 BI Challengeは、NTTコミュニケーションズ全社の施策として、新規事業のアイデアを募集し、事業化へとつなげる取り組みだ。これまでに約20チームがプログラムに参加しており、山本氏と湊氏は、事務局としてプログラムの参加者をサポートしつつ、自らもプレーヤーとして事業創出活動を行なっている。

 社内イノベーションが難しいとされる理由のひとつは、参加者がそれぞれ既存の業務を抱えながら、新規事業の活動に取り組まなくてはいけない点だ。新規事業へ人的リソースをどれだけ割けるのか。また開発環境や予算なども必要だ。

 BI Challengeでは、アイデア出しからイグジットまで、0~4までの5段階のゲートを設定。ゲート1の段階では稼働は20%、つまり週1日程度を新規事業のために使うこととし、ゲート3になれば稼働100%を新規事業に使える。このゲートの設定により、プロダクトの成長に応じたリソース、開発環境、コミュニケーションの場などが提供される形だ。

 社内から新しいアイデアを生み出すためのもうひとつの施策がアイデアコンテスト「DigiCom」の実施だ。今年で5回目を迎える大きなイベントで、グループ全社から百数十チームが参加するという。

担当課長 大貫 明人氏

 「DigiComは、同期や部内のグループで構成されたチームが一丸となり、アイデアを練り競い合います。この中から、デジタルトランスフォーメーション(DX)的なものからイノベーション的なものまでいろいろなアイデアが出てくる。お祭りとして終わらせてしまうのはもったいないので、有望なアイデアはBI Challengeへつなげて事業化への流れを作っていきたい」と大貫氏。

 実際、今回のプログラムに参加している20チームのうち、大半はDigiComから生まれたものだそう。

プロダクトの成長レベルや個人の希望に合わせて時間やリソースを配分

 とはいえ、ルール上は稼働20%であっても、本人としては本業も新規事業のプロジェクトも100%の力を注ぎたいというのが本心だろう。あるいは、どちらを主としたいのかは、チームのメンバーによって違うかもしれない。この折り合いをどうつけていくのかは悩ましいところだ。

 もうひとつは、イグジットの問題。事業化する場合、既存事業部でいいのか、子会社化したほうがいいのか。担当者だけの問題にならず、各個人のキャリアにも合致したものになるよう、バリエーションを増やしていく必要がある。

 そこで、100%稼働の条件を満たしているチームでも、本人の意向を尊重して、100%稼働のメンバーもいれば、20%稼働のメンバーもいる、という運用をしている。もちろん、それぞれ所属する部門部署に負荷がかからないように、人事部とも連携して人員調整をしているそうだ。

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