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データ流通プラットフォームを提供する「DX Enabler」に

変わり続けてきたNTTコミュニケーションズとデジタルトランスフォーメーション

2018年10月05日 09時30分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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 2018年10月4日、NTTコミュニケーションズは年次イベント「NTT Communications Forum 2018」を開催。基調講演に登壇した代表取締役社長の庄司哲也氏は、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」によるビジネス変革や創出を支援する「DX Enabler」としての立場を鮮明にした。

NTTコミュニケーションズ 代表取締役社長 庄司哲也氏

NTT自らが体現してきたトランスフォーメーション

 登壇した庄司氏は「未来を語る前にこれまでの歩みを振りかえってみたい」と日比谷の現本社屋のモノクロ写真が載ったスライドを掲げ、同社の「トランスフォーム」を振り返った。

官営から民営へ

 官営の日本電信電話公社が設立されたのは1952年で、庄司社長が入社したのは今から41年前の1977年にさかのぼる。「その頃から通信の世界はさまざまな技術革新が起こり、日進月歩の進化を遂げていた。官営独占の当時は、あまねく公平にというスローガンの元、よりよいサービスを安定的に提供することに重きが置かれていた。確かに高度成長期の日本では、通信サービスを計画経済的に普及させるという意味では時代に適合していたが、一方で革新的なサービスを出す先進性やタイムリーなニーズに応えていく迅速性や柔軟性にはやや難があったと言えるかもしれない」(庄司氏)。

 その後、日本電信電話公社は、1985年に民営化。「当時の幹部は、民営化によって規制や制約から自由になり、世界と競争しながら切磋琢磨することで、技術革新の激しい通信市場のリーダーとして日本の発展に貢献していくんだと強調していた。聞いたときは、ものすごくチャレンジングなことだと思っていた」(庄司氏)。その後、1988年にNTTデータ通信(現:NTTデータ)、1991年にはNTT移動体通信(現:NTTドコモ)が設立。1999年には持株会社、長距離・国際・インターネットを担うNTTコミュニケーションズ、地域通信を担うNTT東日本、NTT西日本に分割された。

 こうして歴史を振り返ってきた庄司氏は、「今われわれが掲げている『Transform. Transcend』という言葉は当時はなかったが、市場競争や技術革新を通じて、私たち自体が経営形態や組織、事業をつねにトランスフォームし続けてきたからこそ、成長を続けることができ、通信からITまでさまざまなイノベーションを起こしてこられたのだと思う」と述べ、これからも引き続き変わり続けていくと宣言。さらに持株会社から発表されたグローバル事業の再編、新たな中間持株会社の設立により、NTTグループ各社が連携し、国際競争力とプレゼンスを向上を目指すという戦略を示した。

中間持株会社による国際的競争力の強化

デジタルトランスフォーメーションの鍵は「データ」

 こうして自らが変わり続けてきたNTTコミュニケーションズだが、今や時代はデジタルトランスフォーメーション(DX)が大きなテーマになっている。とはいえ、今までコスト削減や業務改善に専念してきたIT部門がイノベーションやビジネスを創出するのは簡単ではない。海外のデジタルディスラプターに対抗するために、どのような手を打つべきなのか悩んでいる企業も多い。こうした企業に寄り添いつつ、「信頼されるパートナー」としてデジタルトランスフォーメーションを支援する「DX Enabler」がNTTコミュニケーションズの目指す姿だと庄司氏は強調する。

 では、デジタルトランスフォーメーションが実現された未来とはどんなものか? ここではマーケティング、ビジネスプロセス、ワークスタイルの3つのテーマで作られた2030年を舞台にした動画が披露された。マーケティングの動画では個人のライフログが収集され、それをベースにパーソナライズされた商品が作られる。また、ビジネスプロセスでは、個人のアイデアから始まったプロジェクトが、さまざまなパートナーとのサプライチェーンで実現していく様、ワークスタイルでは自身の分身であるアバターによって同時に複数の会議に参加し、高い生産性とワークライフバランスが実現される様がそれぞれ描かれる。そして、これらをつなぐキーワードがデジタルトランスフォーメーションの燃料とも言える「データ」だ。

 庄司氏は、データからインフォメーションを生み出し、さらにインテリジェンスという価値につないでいくデジタルデータの活用においては、収集・蓄積・分析に最適な「データ流通プラットフォーム」が必須であると指摘。その上で、「豊富な機能ラインナップ」「柔軟なアーキテクチャ」「安心のセキュリティ・マネージドサービス」という3つの点でNTTコミュニケーションズのバリューを出せるとアピールした。

データの利活用

データ流通プラットフォームを支える3つの特徴

 まず柔軟なアーキテクチャを実現する仕組みとしては、さまざまなITリソースの管理や運用を一元化する「オーケストレーター」が挙げられた。これまでコンピューター、ストレージ、ネットワーク、セキュリティなどそれぞれに必要だったコントローラーをオーケストレーターによって一元的に束ね、ビジネス環境の変化に迅速に対応することが可能になるという。また、香港で実証実験を行なってきたeSIMの導入やフルMVNOに向けた取り組みを進めていることも明らかにした。

データ流通プラットフォーム

 インフラのグローバル展開に関しては、クラウドサービスが15の国と地域、クラウドサービスを展開するデータセンターが35におよび、ネットワークサービスも190の国と地域、ケーブル容量も11.9Tbpsに拡がったという。

 続いてデータ流通プラットフォームを実現する豊富な機能としては、Software-Defined化を活用した収集拠点の拡大、NFVによる効率的なデータ収集、リアルタイムな分析制御などを挙げた。特に小売りや製造業などにおける売り切り型モデルからサブスクリプションへの移行を支援すべく、受注管理、顧客管理、問い合わせ対応、課金決済などの仕組みも充実させていく。

 さらにデータ流通プラットフォームで重要となるセキュリティに関しても、外部からの攻撃、内部による持ち出し、センサーの悪用などさまざまなリスクに備え、セキュアなeSIMやデータの秘密分散・秘匿化、エッジセキュリティの強化などを進める。庄司氏がアピールするのはこうしたセキュリティを含め、クラウドやデータセンター、ネットワーク、ゲートウェイまで垂直統合で提供できる「フルスタックのケイパビリティ」だ。「一般的なパブリッククラウドは自社のデータがどこにあるか知ることはできない。でも、われわれのクラウドであれば、データの保管先もわかり、通信経路も可視化されている」と庄司氏と語る。

 

 庄司氏はこうしたデジタルトランスフォーメーションの取り組みは金融、製造、政府、教育などさまざま業界で進んでいると語り、NTTコミュニケーションズも自らを変革しつつ、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するDX Enablerという立場を再度アピールし、講演を終えた。

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