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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第14回

自動車の黒船、テスラ Model3はアメリカ的合理主義の集合体だ

2019年06月27日 12時00分更新

文● 栗原祥光 撮影●栗原祥光

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Model 3が欲しくなったらどうすればいい?

 では、Model 3はどこで買えるのだろう。直営店は日本の都市圏に4ヵ所のみ。いわゆるディーラー網はない。基本的に購入はインターネットから。カード決済にて15万円を入金した後に、電話やメールなどで営業とやりとりをする。納車後、数日間はクーリングオフが可能。この考え方がとてもアメリカ的だ。一方、自動車というのは購入後に定期的にメンテナンスをするもの。それゆえにディーラー網があるわけだ。

テスラのメンテナンスサービスカー

後席の上に工具棚が設置されている

 しかしテスラの場合、メンテナンスカーが自宅までやってきて車両点検をしてくれる。これは電気自動車だからこそ可能で、わざわざ休日にディーラーに行く手間を省いてくれる。ユーザーは時間を有効活用できる、輸入元はディーラーを増やさなくてもよい。Win-Winな現代アメリカ的合理主義の考え方だ。

A PIT オートバックス東雲

A PITオートバックス東雲内にある東京のサービスセンター

 さらに今春、カー用品販売の最大手「オートバックス」の旗艦店、A PIT オートバックス東雲に、都内初となるテスラのメンテナンスガレージがオープンした。買い物をしている間に車両メンテナンスをできるようになったのだ。なお、ディーラーではないためイベントを除いて車両展示はされていない。着実にModel 3がわが国に根付く準備はできている。

 トランプ大統領が「日本の自動車市場は閉鎖的で、アメリカ車を売るのはほぼ不可能」と批判しているのは周知のとおり。事実、昨年の輸入車の新車販売台数36万6266台のうち、アメリカ車が占める割合は、ジープ1万1438台、シボレー878台、キャデラック633台と確かに少なく、大統領が文句を言いたくなる気持ちもわからなくはない。アメリカ車は「デカい」「燃費が悪い」「どこか安っぽい」「乗り心地がフワフワしすぎる」といったネガティブなイメージが先行し、一部のモデルを除いて日本に根付きにくかった。

 しかし、Model 3は日本人が抱くアメリカ車のイメージと真逆の1台であるとともに、従来の自動車という概念から大きく異なる、いわば黒船だ。大統領の不満をテスラ・Model 3は少なからず解消できるかもしれない。試乗しながらそのようなことをふと思った。

テスラのエンブレム

Model 3はR35 GT-Rのようなドアノブを採用する

Model 3のエントリーカード。通常はスマートフォンに専用アプリをインストールし開錠する

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