スマホやタブレットを使っているなら
違和感なくなじめるUI
そのタッチパネルディスプレーは、普段タブレットに触れている人なら違和感なく使いこなせるに違いない。テスト車両の言語ローカライズは終わっているようで、これならスマホネイティブは余裕で操作できるだろう。
画面の左1/3に速度計と車両の状態と周囲の状況、残りでマップを表示するのが基本的な設定。画面はかなり高精細かつ大画面のナビゲーションは見やすく気持ちがよい。ナビ画面はGoogleマップを利用している時の感覚と同じであり、平面のほか、3D、そして航空写真まで表示可能。そこに渋滞情報なども出る。タブレットでGoogleマップを利用している時と同様、ピンチ動作で拡大縮小が可能だ。
この気持ちよさは、使いだしてさらに加速する。滑らかな動き、スムースなスクロール、画面切り替えの早さは生理的に心地よく「さすがiPhoneを生んだアメリカ」の一言なのだが、さらに音声認識が秀逸。これまたタブレットでGoogleマップアプリを立ち上げ音声入力した時に酷似しているのだが、認識率はかなり高く曖昧検索にも対応する。
試しに新横浜ラーメン博物館付近で「近くのおいしいラーメン屋」として試したところ、美味しそうなラーメン屋が一気に出てきた。掲載順の法則性はよくわからないけれど、きっとどの店にいっても美味しいラーメン屋なのだろう。そのほかにも、コンビニ、ガソスタ、など色々試したが、数秒で該当スポットが出てくる。
Googleのシステムを利用しているのだろうが、電話番号やランドマーク名称、住所を都道府県から選んで……という、煩雑なナビ操作から完全解放されたストレスフリーの世界は感動の一言。信号待ちでナビ操作をしようとして、なかなか行きたい場所のスポット名が出てこず、そのうちに信号が変わり操作ができなくなってしまった経験は誰にでもあるハズだ。
選曲、エアコン、走行モードの選択、さらにトランクの開閉などは、15型タッチパネルで行なう。マニュアルを読まずとも「あ、これね」とわかるのはいい。最近の車には「よくわからない絵が描かれているボタン」が多く、それはそれでときめく一方「押したら何か大変な事が起きるかもしれない?」という不安もつきまとう。タブレットだと日本語表示されているというのもあるが、ほぼすべての機能が使いこなせる。読んだことのないマニュアルとはオサラバだ。
ただ、ナビを含め走行中の操作は「運転中のスマホ動作は……」と心配になるが、設定は基本的に「オート」もしくは「自動」で問題ないようだ。つまり「基本的なことはすべて車に任せておいてください」というスタンス。面倒なことは車がやって、あとは快適なドライブを頼むというわけだ。
さらにドライバーごとにシート位置、ミラー位置をはじめとする各種設定をプリセット可能。しかも際限なく記憶できるようだ。パパが乗ったあとにママが乗るとき、シートを移動させて、ミラーを調整して……という作業が画面からタップひとつで終わる。
システムOSがアップデート可能であるという点もユニーク。前出したドラレコ機能もアップデートして実装した機能だそうだ。ここまでくると、タブレットを中心に車がある、というかタブレット用アクセサリー「テスラ・Model 3」という印象さえ受けてしまう。一方で、何かしらの影響で15型タッチパネルが壊れた時は何もできないのでは? という不安はないわけではないが、その時はきっと何かしらの対策があるのだろう。取材日は日中の気温が30度を超える暑い日であったが、モニターが熱すぎて何も映らなくなるということはなかった。

この連載の記事
-
第505回
自動車
「GT-R」と「Z」、選ぶならどっち? 40周年のNISMOが手掛けるロードカーにあらた唯が触れる -
第504回
自動車
最新世代のポルシェ「911」とEVの「タイカン」を乗り比べたらタイカンが圧倒的に恐怖だった -
第503回
自動車
今スポーツセダンを求めるならアルファ・ロメオ「ジュリア・クアドリフォリオ」を強くオススメする理由 -
第502回
自動車
車購入初めての20代女性に「アルト ラパンLC」がピッタリな5つのポイントと2つの微妙 -
第501回
自動車
初めてのMTでも安心! 小さなぜいたく「N-ONE RS」のMT車をオススメする3つの理由 -
第500回
自動車
612馬力の超弩級SUV「Mercedes-AMG GLE63 S 4MATIC+」はクルマのジキルとハイドだ! -
第499回
自動車
BMWが誇る最上位SUV「XMレーベル」は手に余る性能のスーパーSUVだった -
第498回
自動車
ルノースポール最後の「メガーヌR.S.ウルティム」の魅力をシビック TYPE-Rと徹底比較 -
第497回
自動車
Hondaの「N-BOX JOY」はコダワリの詰まった内装と使い勝手が良くてドライブが楽しくなる -
第496回
自動車
Hondaの「N-BOX JOY」はアクティブにアウトドアを楽しむための人のための軽自動車 -
第495回
自動車
電気があれば何でもできる! 電動ポルシェ「パナメーラ」と「タイカン」の個性の違いを解説 - この連載の一覧へ