ため息の出るような、途方もない存在:
アップルがMacProでめざした理想のデザイン WWDC 2019
2019年06月06日 09時00分更新
●ハイエンドを極めた意義
アップルは今回、ハイエンドを極めるMac ProとProDisplay XDRを発表し、秋に出荷することをアナウンスしました。おそらく筆者にとって、この性能と画質を普段の仕事に取り込むことは、コストの面から「過剰」と言えます。多くの人にとっても同様で、すごいけれど関係ない製品といえるでしょう。
しかし、F1カーがクルマのブランドを作ったように、プロが使うハイエンドマシンは、Macのブランドを復活させる際に不可欠な存在。アップルはやっとこれを披露し、Mac回帰を呼びかけられるようになりました。
一方、別の記事で触れますが、アップルはiPadOSを披露し、より多くのコンピュータとしての役割をiPadに担わせようともしています。Macの外部ディスプレーとしてiPadを使えるようにするSidecarを披露するなど、共存関係を模索していますが、日常的なコンピュータをiPadに再定義することが決定的になった、と見ています。
iPadOSはiPadをiPhoneとiOSの呪縛から解き放ちますが、同時にiPadOSによるiPadの進化は、Macをよりとがったプロの仕事道具として進化させることになり、過剰なまでの性能を誇るMac Proは、それを象徴する存在と言えるでしょう。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
※訂正:初出時、記事中に「レタスパターン」とする表現がありましたが、正しくは「ラティスパターン」の誤りでした。訂正します。(2019年6月13日)
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