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顧客から選ばれる士業・専門家になるためのテクニック2019

ASCII×BiND共同セミナー「士業・専門家が知るべきウェブサイト活用の最前線」

連載
ASCII STARTUP ACADEMY

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識者が語る士業ならではのウェブ戦略

 第2部のパネルディスカッションでは、士業ならではのウェブ戦略について、益子氏、島津氏、熊崎氏の3者がそれぞれの考えを語った。

ひとつ目のテーマ「士業はどのように、ビジネスの認知、クライアントを得るべきか?」

島津氏(以下、敬称略):「インターネットを使って士業・専門家を探す方がどんどん増えてきているのに、専門家側のホームページの所有率が低いことにギャップを感じています。普及が進まないのは、15年くらい前まで弁護士業界は広告が禁止されていたことも原因。今も表現などに規制があるため一歩踏み出せないのでは」

熊崎氏(以下、敬称略):「ホームページを持っているだけではなかなか見てもらえない。たとえば、一度名刺交換をした相手にはSNSでつながってアプローチしていくのも手。トータルでマーケティングをしていくことが大事です」

島津:「リスティング広告を使う方法もありますが、弁護士のような競争の激しい分野は、費用が高い。たとえば『交通事故』のGoogleリスティング広告は、1クリック5000円弱かかります」

益子氏(以下、敬称略):「1クリック5000円は、カードローン並みの相場。通常は100円くらいなので、相当高いです」

熊崎:「今は交通事故など特定の分野に集中しているが、ウェブで手軽に相談できるようになれば、専門家に頼むシーンが広がってくる。もっと広げていくためにも、コンテンツマーケティングを手掛けていくといいのでは」

益子:「問い合わせのハードルを下げてあげることもすごく重要。ホームページに問い合わせフォームやチャットボックスを設置すると、気軽に相談しやすくなります」

島津:「ターゲットに合わせた窓口を用意するのも重要です。過払い請求、債務整理などは、ガラケーに対応したほうがいいかもしれません。どういう分野の方がお悩みを抱えているのかにも着眼して、選んでいくと親切ですね」

益子:「地域ターゲットは絞り込むべきなのか、それとも広げたほうがいいのでしょうか?」

島津:「弁護士ドットコムでは、『関東』、『関西』『九州』という大きなエリアで絞っています。というのも、弁護士に限っては必ずしも近いほうがいいとは限らない。よい事務所であれば、少し遠くても行きたい。また、相談内容によっては、かえって近所の事務所には行きづらいこともあるようです」

熊崎:「検索で地域名を入れないのは東京の人だけ。地方に住んでいる方は、必ず検索するときに地域名を入れて絞り込みます。ただし、今後は位置情報などから、ある程度近隣の地域に自動的に絞り込まれるようになるので、地域名は必要なくなってくるかもしれませんね」

益子:「女性はGPSをオフにしていることもあります。今のところは、事務所の地域名や対応可能なエリアは必ず入れておいたほうがいいでしょう」

2つ目のテーマ「専門的知識の商品化におけるポイントとは」

島津:「一般の方は、最初の相談後にどのような展開があるのかわからない。ホームページに料金を記載する場合、いつ、どのタイミングでどのくらいの料金が発生するのかが書いてあるとアクセスしやすいです」

熊崎:「専門分野のコンテンツに、一般的な業務や資格の説明などを書きがちですが、それでは差別化にならない。事例についても、何もかも載せればいいというのではなく、どのように見せたいのかを考えて、戦略的に情報を出すのがポイントです」

益子:「どういうレアなサービスが提供できるかをまず考えて、アピールすることですね」

3つ目のテーマ「士業ウェブサイトにおけるデザインの重要性」

島津:「弁護士の場合、一般民事/刑事事件/企業の顧問弁護士など、どういうお客様を獲得したいのかによって、デザインを柔軟に変えていかなくてはなりません。たとえば、プロフィール写真でも、民事にはノーネクタイで柔らかい雰囲気、企業のお客様向けには固いスーツで重厚なプロフィール写真など、見せ方を変えていく工夫は必要です」

熊崎:「米国の法律事務所はインテリアにもお金をかけているところが多いが、日本の士業の事務所は、地味なので写真素材に困る。どうやって差別化するのかは悩ましいところ」

益子:「立派な庭園など、屋外で撮影するのも手ですね」

島津:「士業のホームページは、専門用語が多く、文字だらけになってしまう傾向がある。ひらがなを多めに、あえてスペースをとるなど工夫すると読んでももらいやすくなります」

益子:「スマホで長文を読むのはキツイ。スマホ向けのページでは、最初のページでは一部を表示して、続きは非表示にするといい」

熊崎:「文字だらけにならないように、素材サービスなどを利用してイラストで説明すると、かなり印象が柔らかくなります」

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