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全国大会で発表する高校生起業家10チームが決定

加工食品の食べすぎを防ぐ、コンビニ決済連動型ダイエットアプリ

2019年02月13日 06時00分更新

文● 松下典子 編集●ベルマーカス麻里/角川アスキー総合研究所

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 高校生向けの起業家教育プログラム「学びと社会の連携促進事業(起業家教育)」が、2018年6月より全国10ヵ所で実施された。2018年度は全国4エリアの自治体と高等学校6校で計20時間のプログラムがあり、最終日には成果発表会が行なわれ、2019年2月13日開催の全国大会への進出チームが選出された。

 ここでは、全国大会への進出が決定したチームの取り組みを前後編にて紹介する。

金沢高等学校

 石川県の金沢高等学校では、夏休み期間を利用してプログラムを実施。身近な人を幸せにする「50センチ革命」をテーマに、高校の魅力や身近な違和感を見つけ、言語化する方法、疑問を掘り下げていく方法などの手法をメインに学び、最終日には各チームが発見した課題と解決策のアイデアを発表した。全国大会への進出チームには、1年生女子2名による食生活の改善についての提案「人生を楽しむための食生活」が選ばれた。

■コンビニ決済連動型アプリで加工食品の摂り過ぎを防ぐ

 女子高生は「痩せたい」という悩みを常に抱えている。しかし、無理なダイエットから精神的に不安定になったり、体調を壊してしまったりすることもある。「ただ痩せるのは健康を害するのではないか」、「なぜ太ってしまうのか」という疑問から、体の健康状態と日本の食生活の変化に着目。

 食事の洋風化やインスタント食品の摂り過ぎが不健康や太る原因になっているのではないか、と仮説を立て、加工食品をできるだけ食べないようにするための近未来型HEALTHアプリを提案。

 コンビニで食品を購入する際に、スマホの電子マネーで支払うと、その食品データがアプリにダウンロードされ、健康を害する原料が含まれると「BAT HEALTH食品」としてメーターに蓄積。メーターがいっぱいになると、警告が表示される仕組み。女子高生をターゲットに、コンビニなどでつい買ってしまう間食の影響を可視化するアプリが流行れば、若い世代の健康意識の向上に役立ちそうだ。

所沢市

 所沢市では、和ヶ原商店街の活性化をテーマに、地域の高校生を募りプログラムを実施。5名の生徒が実際に商店街を歩き課題を発見し、自分たちが行きたくなる商店街にするビジネスを提案した。

 高校生向けファッションの古着屋、スイーツの食べ歩きができるドーナツ屋、飲食店の大盛り企画、手作りアクセサリーのシェア店舗、SNS を活用した魅力発信などのアイデアが発表され、すべての提案について商店街と一緒に取り組むことが約束された。2月13日には、最終プレゼンから3名が選出され、商店街との取り組みを紹介する予定だ。

仙台市

 仙台市では、東北の復興などをテーマとした社会起業(ソーシャルスタートアップ)をテーマとして、宮城県や東北地方に住む高校生を広く募集し、約20名の高校生が参加。地域や学校が異なる高校生が分野軸でチームを組み、4日目の最終発表会では5チームがプログラムの成果を発表した。優秀賞には、TEAM ファン(古川黎明高校×白石高校混合チーム)の「白石城から始まる観光ルートアプリ‼」が選ばれた。

■市民投稿型のAR観光アプリで町の魅力を発信

 「白石城から始まる観光ルートアプリ‼」は、白石市の観光客を増やすことを目的にとしたARアプリ。このアイデアは、チームメンバーである白石高校の2名が「白石城や鎌先温泉以外の魅力を伝えたい」という思いから生まれた。白石市民と市役所へインタビューをしたところ、町の情報発信が十分にできておらず、白石市民が町の魅力をよく知らない、という課題が見つかったという。

 解決策として、白石城から始まるARを活用した観光アプリの開発を提案。白石のシンボルである白石城から観光をスタートし、天守閣から見える景色にアプリをかざすと、スポットのマーカーが表示され、観光情報が見られる、というもの。スポット情報は市内の住民が登録することで、住民が町の魅力を知ることにもつながる。さらに、登録を促進するために、10代~30代を対象としたセミナーやフォトコンテストを市役所と共同で実施するなどのアイデアが提案された。

北九州市

 北九州では、地元の高校や高専から参加者を募集し、プログラムを実施した。地域で活躍する先輩や、地元の起業家が日替わりでメンターとして参画し、身近な課題を感じる事柄を自分たちが楽しいと思える方法で解決する、という趣旨で5チームが最終プレゼンを展開。審査の結果、明治学園の女子2人組のチーム「Love and abroad」による旅行専用の写真共有アプリ「TO THE」が最優秀賞に選ばれた。

■旅先の穴場情報をシェアできる写真共有アプリ「TO THE」

 「TO THE」は、旅行専用の写真共有アプリ。いわば旅行写真に特化したインスタグラムだ。考案した2人は、海外がとにかく好き。現地の人しか知らない穴場に生きたい、海外で生活したい、といった共通の思いから、このアイデアを思い付いたそう。アプリには、現地の交通情報、翻訳機能、現地の周辺地図などの機能を搭載し、気に入った場所に訪れたときに「ローカルいいね!」を付けて自分のお気に入りの場所をコレクションできる。

 GoogleマップやGoogle翻訳、インスタグラムなど複数のアプリを使わなくても、「TO THE」ひとつで済み、現地の人からの情報も効率的に得られるのがメリットだ。

 ターゲットは旅行好きの若者。アプリは無料で提供し、公式アカウントには、旅行情報やトラベル関係の商品を載せることで広告収入を得ることを想定。そのほか、月に1件Best Tourist賞を選定し、ペアの航空券を贈呈することで良質な投稿を増やす仕組みを考えているそうだ。

福岡女子高校

 福岡女子高校では、2年生から参加者を募り、放課後の時間にプログラムを実施した。服飾デザイン科、食物調理科、普通科コースなど、普段話す機会のない生徒同士で、長期間のプログラムとなることから、チームが成長でき、かつ各コースの良さを引き出せるチーム構成になるよう工夫したという。最終日のプレゼンは、チームそれぞれの特徴が出る発表となった。チーム名「(株)セロトニン」のアイデアのマッチングソフト「IDEEA ~カオスなアプリ~」が選ばれた。

■アイデアが欲しい企業と高校生をつなぐマッチングアプリ

 「IDEEA」は、アイデアがほしいひと、提供したい人の両方の欲求を満たすマッチングアプリ。機能はシンプルで、企業がアイデアを募集すると、一般のユーザーからアイデアが届くというもの。高校生や女性などにターゲットを絞って募集をかけることも可能。利用料は月額50円、初回30日間は無料で、当初は高校生を対象に提供していきたいとのこと。

 多くのアイデアを集めるには、広く認知させることがカギ。そこで、高校生のSNS拡散力でユーザーを獲得し、企業に対しては、電話やメールでアプリを売り込んでいく計画だ。

「見つけよう、新たな自分」~未来のわたしと仕事を考える創業イベント~
グループセッション4高校生起業家教育プレゼンテーション

 2019年2月13日(水)14時45分~17時20分(イベント本編は13:30よりスタート)に、JPタワー ホール&カンファレンスにて開催。
http://www.sougyouschool.jp

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