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クラウドサインが仕掛ける、社会を「RE:MAKE」する新たな取り組みとは

クラウドサインが有するポテンシャルが社会を変える

特集
ASCII STARTUP イベントピックアップ

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Slack×クラウドサインによる新たな提携サービスを発表

Slack Japan カントリーマネージャーの佐々木 聖治氏が登壇

 第3部では、Slack Japan カントリーマネージャーの佐々木氏が登壇し、Slackの歴史と魅力を語った。Slackは、多種多様なチャンネル(チャットルーム)の作成や、ツールやサービスとの連携ができるコミュニケーションツール。作業時間の削減や円滑なコミュニケーションを実現し、生産性の向上に貢献するとしている。今後はメールのやりとりをSlackで完結させ、よりオープンなコミュニケーションができるよう取り組むと佐々木氏は述べた。

11月22日にリリースされた「Slack with CloudSign」

 今回、Slackとクラウドサインによる連携サービス「Slack with CloudSign」のリリースを発表した。クラウドサインで作成した契約書の進捗状況が更新されると、Slackのチャンネルに通知が届くいうもの。「Slackの自動化(アプリケーションやツールの連携)を利用して効率のよい作業を実現し、生産性の向上性やイノベーションの発展につなげていただきたいと思います」と佐々木氏は語った。

「裁判のIT化」をテーマにしたパネルディスカッション

第4部のパネルディスカッションが始まった

 休憩を挟んでから第4部が始まった。弁護士ドットコムの橋爪 卓司氏が司会を務め、裁判システムに詳しい4名の専門家を招いて「裁判のIT化」をテーマにしたパネルディスカッションを実施した。従来の裁判システムをどう「RE:MAKE」すべきかを議論していた。

内閣官房 日本経済再生総合事務局の川村 尚永参事官

日本はすでにIT化に着手する諸外国よりも2周回遅れをとっている

裁判出頭のために遠隔地へ出向かなければならない場合も

 内閣官房 日本経済再生総合事務局の川村参事官は、「デジタルトランスフォーメーションを進める上で、行政がボトルネックになっている」と懸念点を述べた。契約手続きやハンコという従来のルーティンが障壁となり、世界各国で裁判のIT化が進む中で日本だけは2周回遅れをとっているという。今日における裁判の申し立ては紙ベースで、なおかつ出張費や拘束時間といったコストが際立っているという。そのうえ、当事者が遠隔地に住んでいても裁判に出席しなければならないのだそうだ。

裁判のIT化を進める上での方向性

 そこで川村参事官は、ウェブを活用した裁判の申し立てや、双方当事者が裁判に出席しないウェブ裁判に取り組むと述べた。

長島・大野・常松法律事務所 弁護士の小松 隼也氏

 企業法務弁護士である小松氏は、今日における裁判システムへの不満点を語ってくれた。書類の作成や提出に時間を拘束されているのが現状で、優先すべきタスクに注力することが難しいのだそうだ。「IT化によって意味のあるクリエイティブな仕事ができるのでは」と小松氏は期待をよせた。

日本大学法学部 法律学科 准教授の杉本 純子氏

 杉本氏は裁判のIT化を実現するための課題と、諸外国の裁判システムについて語った。民事訴訟法は口頭主義・直接主義に則っているため、画面越しで裁判をするという理想を形にするのは難しい。また、公開原則によって弁論、証拠調べ、判決の言い渡しなども裁判所で公開しなければならない。「IT化を推し進めるためには、現代に即した原理原則を再検討するべき」とのこと。

ITを活用した諸外国を紹介

 裁判のIT化に着手した諸外国の現状も紹介した。日本を除く欧米やアジアでは、オンライン上で訴訟の申し立てや裁判記録の閲覧、裁判官の予約などが可能とのこと。「諸外国の利点を吸収して、日本独自のIT化を推し進めてほしい」と締めくくった。

ユアサハラ法律特許事務所 パートナー弁護士の飯村 敏明氏

 飯村氏は「日本のIT化は2周ではなく2ダース遅れている」と指摘した。現状的な日本の進め方を考えると映像だけでは補えない部分もあるほか、AIが処理する場面で違うアウトプットが生じる恐れもある。完璧な解決策がない限り、裁判のIT化は難しいという。

 裁判のIT化における長所や問題点が次々と挙がり、現代人が考えるべきテーマとして観客全員の心に浸透したのではないかと思われた。クラウドサインに対する期待値がさらに高まる、実に有意義なイベントであった。

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