このページの本文へ

電子化された名刺と契約書がつながることで新しい価値を創出

名刺管理のSansanがクラウドサインと提携 契約情報の表示機能を搭載

2020年01月23日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●大谷イビサ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 2020年1月21日、企業向け名刺管理サービス「Sansan」を提供するSansanと電子契約サービス「クラウドサイン」を提供する弁護士ドットコムは「契約管理オプション powered by クラウドサイン」を5月から提供すると発表した。Sansanのオプションとして提供され、Sansan上で名刺を交換した相手の企業との契約書を同じ画面上で確認できるようになる。さまざまな確認作業の待ち時間や法務部門の工数を削減するニーズに応えて、現在開発が進められている。

名刺を基点として働き方を進化させる

 Sansanは2007年のリリース当初は営業支援ツールだったが、年々プロダクトコンセプトを進化させ、現在は「名刺管理から働き方を変える」という考え方を掲げ、ビジネスプラットフォーム化を目指している。

「Sansan上にビジネスで必要なあらゆる情報が確認でき、その結果、本質的な業務に向き合い、名刺を基点として営業にとどまらず働き方を次世代に進化させます」とSansan 共同創業者Sansan事業部長 富岡圭氏。

 2019年10月にはリフィニティブと反社チェック機能の共同開発を発表し、法務部門でも活用できるようになった。「クラウドサイン」との連携もそのプラットフォーム化戦略の一環となる。

Sansan 共同創業者Sansan事業部長 富岡圭氏

 一方、弁護士ドットコムの「クラウドサイン」はウェブ完結型のクラウド契約サービスで、2015年10月19日にリリースされている。現在は6万社以上に導入されており、電子契約市場シェアは8割を超えてNo1となっている。

「国内の弁護士は4万1000人います。そのうち、5.9%が法律事務所の勤務ではなく、企業内の弁護士として活動しています。その弁護士がコーポレートガバナンスを強化する中で、課題となるところをテクノロジーを解決したいと思い、Sansanと提携しました」と弁護士ドットコム 取締役クラウドサイン事業部長 橘大地氏。

 法務部門の課題とは、たとえば属人的な業務で契約の背景が不明だったり、上司の評価がアナログ的なものだったり、高い業務負荷によるヒューマンエラーの懸念といったものが挙げられる。

 契約書をデータ化したり、フローを自動化できれば、これらの課題を解決できる。また、会社のガバナンスを定量的に評価することもできるようになる。例えば、発注者なのに相手方の損害賠償の上限規定がある契約が6%ある場合、そのリスクを今年の法務の目標として3%にすると設定して動くことができる。

「クラウドサインはCONNECTED EVERYTHINGとして、契約書の持つ力を活用したいと考え、今回の提携をしております」(橘氏)

弁護士ドットコム 取締役クラウドサイン事業部長 橘大地氏

Sansanへの登録後に契約情報が通知

 今回発表された「契約管理オプション powered by クラウドサイン」は、Sansanのオプションとなる。名刺交換をしてスキャンするとSansanに登録されるが、同時にクラウドサインとデータを突合させ、契約情報が通知される。その企業との契約締結の有無や契約時期、契約名などがその場で確認できるのが特徴だ。

締結している契約書があると通知が出る

契約書の一覧が開き、内容を確認できる

「契約情報は重要な相手企業との接点です。名刺と電子化された契約書データがつながると、新たな価値を提供できるのではないか、と新機能の開発に着手しました」とSansan 新規事業開発 尾中倫宗氏。

 たとえば、これまでは隣の部署が営業をかけているのは知っていても、実際に契約をしているのかがわからないという課題がある。違う部門から違う商材を提案したい場合、その企業とどういう関係になるのかがわかるとスムーズにアプローチできる。

 「契約管理オプション powered by クラウドサイン」を利用すると、名刺を登録したら「○○社と合意締結した契約書があります」と通知が出る。通知を開くと、相手企業の詳細画面にある「クラウドサイン」タブで、過去に締結した契約書を一覧で確認できる。

 従来、営業側が契約状況を確認したい場合、法務部へ問い合わせて、確認してもらい、フィードバックしてもらうというフローになっていた。Sansanのヒアリングによると、ある企業ではこの作業だけで1日2~3時間取られており、業務負荷が大きかったという。そんな手間を省いて、即確認できるようになるので、営業のスピードアップが実現する。もちろん、法務部の業務負担も減るというメリットも大きい。

Sansan 新規事業開発 尾中倫宗氏

 契約書には社内関係者という情報も紐付けることができる。自社の誰が、どの企業とどんな契約を結んでいたのかがわかるので、法務部ではなく直接その同僚に契約に関することを聞くことができるようになる。Sansanが掲げている「同僚コラボレーション」も促進できると考えているという。

 「契約管理オプション powered by クラウドサイン」を契約するにはSansanとクラウドサインの両方を利用している必要がある。料金は5万円(税別)~となる。1月21日から問い合わせを受け付け、提供は5月を予定している。

■関連サイト

カテゴリートップへ

アクセスランキング
ピックアップ