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3ヵ月で14ヵ国を飛び回りイノベーション発掘、NTTデータのすごすぎるコンテスト

空港で寝袋、ロストバゲージ、長時間フライトによる腰痛も

特集
「NTTデータ 豊洲の港から」イベントレポート

提供: NTTデータ

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 NTTデータが主催する「豊洲の港から presents グローバルオープンイノベーションコンテスト」は、5年目を迎え、どんどん活気付いている。2017年12月~2018年3月に開催された第7回では、世界14ヵ国15都市で開催された。第9回となる2018年11月~2019年2月は全20都市になる予定だ。そして各都市の優勝企業が競うグランドフィナーレ(決勝)でチャンピオンとなった企業とはこれまでにないソリューションをオープンイノベーションで取り組み、事業化を実現しているという。

「技術の寄せ集めでは、社会課題は解決できない、NTTデータが世界のスタートアップを探す理由」(関連記事)

 とはいえ、普通に募集していたら、イケてる企業が集まるわけではないし、イベントが成功するわけではない。もちろん、主催者側が世界各地で動いているのだ。その立役者が、NTTデータ オープンイノベーション事業創発室 室長である残間 光太朗氏。なぜNTTデータは、同コンテストで優れた企業の発掘を行い、ビジネス化に成功し続けているのか。グローバルオープンイノベーションコンテストのために世界を飛び回っている残間氏に、話をきいた。

第5回は世界10都市、第7回は15都市で開催し、第9回は20都市で開催予定だ

3ヶ月間で14ヵ国15都市で予選を開催!
そのすべての国へ突撃した

 「豊洲の港から presents グローバルオープンイノベーションコンテスト」はNTTデータ×ベンチャー企業×大企業が、Win-Win-Winとなるビジネスを目指しているプロジェクト。現在は、第9回にむけてベンチャーからの応募を受け付けているところだ。

 残間氏は2017年度開催の第7回時、およそ3ヵ月間で、なんと全世界14ヵ国を飛び回った。それ以前もコンテストのために海外を回っており、第5回は世界10都市で予選が開催されている。インフルエンザなどでどうしてもいけなかったこともあるが、残間氏は可能な限り現地に赴き、ほぼ全都市で立ち会っている。

2018年3月22日のグランドフィナーレでは、最優秀賞に、バルセロナのGestoosが選出された

 第7回の初戦は2017年12月6日のテルアビブから。グループ間の集金サービスプラットフォーム「PayBox(現社名:Cobox)」が最優秀賞を獲得した。そこから、2018年3月2日、15戦目の舞台になったのはイタリアのミラノ。ここでは、地磁気やジャイロなどのセンサーを駆使して屋内ナビゲーションを実現した「GiPS tech」が最優秀賞を獲った。

 1週間以上間が開くこともあったが、3日おきくらいに飛び回る週もある。年明け1月11日のシンガポールを皮切りに、1月16日はインドのムンバイ、1月19日には東京開催で、1月24日にはチリのサンチャゴでイベントが開催された。しかし、覚えているだろうか。2018年の1月は、日本は記録的な豪雪だったのだ。

「成田空港からチリに向かう予定で、飛行機に乗ったのですが、5時間くらい機内に閉じ込められたうえ、夜中の12時過ぎに飛ばないので降りてくださいとなりました。寝袋が配られたのですが、全然寝付けなくて、翌朝何とか出発できました」(残間氏)

 チリは遠い。台湾やハワイとは違い、乗り継ぎも含めて30時間はかかる。何とか変更チケットを確保しその時もヒューストン経由でサンチャゴに向かったそう。前の日も寝ていないのに、移動時間の30時間も眠れない。ようやく到着したら、イベント開始まであと1時間。会場までも空港から1時間。

「タクシーで到着したら、お迎えの人がいて始まります! って。すぐに、イベントのアイコンである『はっぴ』着て、ハーイ! と登場しました」(残間氏)

 トラブルではあったが、奇跡的に間に合う運の良さと残間氏のパワフルさに驚く。まる二日寝ないでイベントに登壇しているのだ。実はその時、サンチャゴは夏休みの時期で、参加者はイベント後はバカンスに出る予定の人が多く、すでに休暇中の人は一時的に帰ってきて参加してくれたりしたそう。ずいぶんな温度差だが、イベントは大成功だったという。

NTTデータ オープンイノベーション事業創発室 室長である残間 光太朗氏

「すごく面白いベンチャーがたくさん来てくれたのは、本当に良かったです。例えば、審査員賞を獲得した「PAGO 46」は、シェアリングエコノミーの資金回収会社です。ネットで支払う際に、クレジットカードではなく、PAGOを選択すると近くにいる“人”がアプリに出てきます。UBERアプリでタクシーを呼ぶように、人を選ぶとその人が料金を回収しに来てくれるのです」(残間氏)

 スマホはあるが、クレジットカードや銀行をもたない人のためのユニークな決済サービスだ。現在は、スペインの大手銀行がバックについて実証実験中だという。なお、この時に最優秀賞を獲ったのが、人間のボディーランゲージを画像解析して不審者を発見する「Coeus」だ。

 ほかのトラブルとしては、何度もロストバゲージの被害に遭っていたそう。空港で待っていても仕方がないので、手続きして現地に向かうが、着替えを含めてすべてがない。それでもイベントの開催はすぐなので、近くの店で服を購入することになる。イベントによっては、全身ZARAでまとめたこともあったそうだ。

「雪ならトロントでも飛びませんでしたし、私が忘れ物をしたということもありました。あと大変なのは、長時間のフライトで腰を痛めてしまったことです」(残間氏)

 年に1度の海外旅行だっていろいろあるし、ロストバゲージが1回起きただけでもブルーになるもの。それをたった3ヶ月で腰に来るまで飛び回るとは頭が下がる。

 さらには、イベント開催で海外ならではのトラブルも起きるとのこと。なんと、日本のイベントではあり得ないことだが、エントリーしているスタートアップが会場に来ないということが結構あったという。ある都では、スタートアップが帰ってしまったこともあるそう。優勝候補として期待されていたそのスタートアップは会場まで来ているのに、現地の偉い人が大仰な挨拶をしていたら緊張のあまりに腰が引けてしまったのだそう。

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