採用サイトを自社で公開するメリットとは
職種別のアピールポイント、サイトの構成を解説!
提供: デジタルステージ
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実在するスタートアップ企業で、B2B向けにコンサルティングサービスを提供する「株式会社ミライフォース」のウェブサイト制作プロジェクトを題材に、「BiNDクラウド(以下、BiND)」を使って集客やマーケティングに効果的なウェブサイトをつくる方法を徹底解説します。
B2Bスタートアップ企業が理想どおりのウェブサイトをつくるためのプロセスを、全6回の連載で解き明かします。
第1回から第3回までは、BiNDでの「コーポレートサイト」の作り方を解説しました。第4回から第6回では、目的特化型で需要も高い「採用」にフォーカスします。今回は、採用サイトを自社で公開する意味、代表的な職種別のアピールポイント、サイトの構成、テンプレート選びについて説明します。
1.採用サイトを自社で公開するメリット
スタートアップ企業の採用活動では、一般企業の新卒採用や中途採用と異なるのは、確実な即戦力であり明確な役割が求められるという点にあります。
特に、そのスタートアップが行なっている具体的なビジネス内容でピンポイントに求められる役割があります。そのため、求人についても業界・業種といった大まかなレベルだけでなく自社のことをわかっている人に来てもらいたいはず。
その点、WantedlyやFind Job!などの求人メディアでは、入り口の役割も当然果たせますが、こういったサービスとあわせて、自社で採用サイトを用意することにどのようなメリットがあるのでしょうか。
1.直接、採用活動ができる
2.求人メディアや広告媒体の仕様にしばられない情報が載せられる
3.コーポレートサイトなどとつながりを持たせられる
まず、採用サイトにエントリーフォームを用意することで、採用応募を直接受けつけられる点がメリットです。のちほどで説明する「シングルページ」の形式で作る場合も、そのページの下部にフォームを直接設置することができ、応募までの動線設計を極力シンプルに保てます。
また、求人メディアや媒体では仕様が決まっており、掲載できる情報量を自由に決められませんが、自社で作る採用サイトにはこのような制限はありません。ということは、会社情報などの詳細はコーポレートサイトを見てもらうなど、採用サイトと有機的に連携させることができるという、3つ目のメリットにつながります。
さて、採用サイトではなく、あくまでコーポレートサイト内で採用情報を公開する方法はどうでしょうか。採用にそれほど力を入れていなければ、このようなミニマルな対応でかまいません。一方、採用に力を入れている場合は、きちんと採用サイトを別に設けたほうがよいでしょう。
なぜなら、コーポレートサイト内の採用情報では、画面構成がほかのページと共通であり、採用に関する情報だけが掲載されるわけではないからです。また、採用のためにリスティング広告やソーシャルメディア広告を出す場合、目的特化型のわかりやすいランディングページがあったほうが効果的です。つまり、採用サイトを広告からのランディングページにできる、というメリットがあるのです。
2.スタートアップが採用したい代表的な3職種とアピールポイント
次に重視したいのはコンテンツです。特にスタートアップ企業では、次の3職種が採用したい人材の代表例ですので、これらをベースにそれぞれのアピールポイントをひも解いていきましょう。
・エンジニア
・デザイナー
・セールス/マーケティング
エンジニア
時代とともにエンジニアのスキルが多様化しています。主な経験としては、サーバーサイド、フロントエンド、アプリ開発のほか、クラウドサービス、AI(人工知能)、BI(ビジネスインテリジェンス)、基幹系システム、情報系システム、組み込み系システムなど、細分化しようと思えばいくらでも細分化できるほどです。
したがって、どのような分野で、どのようなサービスを作るためのエンジニアを求めているか、社内の開発環境はどのようなものか、必要な開発言語やフレームワークは何かを明示すること大切です。
また、エンジニアには働き方に敏感な人が多いものです。リモートワーク、書籍購入制度、セミナー参加補助や、マシンやソフトウェアのリプレースへの積極性、クラウド環境への取り組み、自由な雰囲気、残業の少なさなど、身近なところでの働き方の自由度をアピールしたいところです。
スタートアップ企業はエンジニア文化への理解度が高いはずです。中でも「職場環境のよさ」が、エンジニア採用でのアピールポイントとなるでしょう。
デザイナー
デザイナーも、ここ数年で役割がだいぶ細分化した職種です。ウェブサービスの分野に限っても、グラフィック、UI(ユーザーインターフェイス)、インタラクションなどに分けられます。デザインというスキルは汎用的なものであり、何かひとつだけしかできない、ということはほぼありませんが、それでもどのような仕事が求められるのかを明らかにしておくことが大切です。
デザインという業務は工数の切り分けがむずかしく、また、時間をかけようと思えばいくらでもかけられる作業のため、ワークライフバランスを崩した働き方になってしまいがちです。また、デザインに対しては誰でも意見がいえるため、クライアントワークで無理を強いられるなどがありえます。デザイナーという職種には女性が多い点も意識しておきたいところです。
したがって、採用サイトでは「個人の働き方へのケア」をアピールするとよいでしょう。具体的には、残業の少なさ、しっかりと休暇がとれること、育児への社内理解などがポイントとなります。
セールス/マーケティング
通常はセールス(営業)とマーケティングは異なる職種として扱われますが、ここ数年で両者の垣根が低くなってきています。特にスタートアップ企業の人材には、両方の役割が求められるケースが多いでしょう。
現在のセールス/マーケティングの職種では、ITスキルが不可欠です。特にマーケティングの分野では、クラウド環境でのツールの利用が当たり前になっています。また、ウェブマーケティングについていえば、プロモーションの企画設計、広告運用、ソーシャルメディア運用、アクセス解析など、幅広いスキルが求められます。もしそのスタートアップ企業が特定業界向けのサービスを展開している場合は、業界知識もある程度必要となるでしょう。
つまり、セールス/マーケティングの採用では、主に求められる業務はどちらかを明確するか、きちんと別に分けつつ、必要なスキルセットを明示するのが基本となります。
セールス/マーケティングでは成長意識が高い人が多いので、どのようなその企業がどのような成長ステージで、チームとしてどのような役割が求められているかも、見通しも含めて説明しておきたいところです。たとえば、全体として5人の企業と20人の企業では、社員ひとりひとりの役割が異なります。また、ひとりでどんどん仕事を進めてよいのか、チームワークが求められるのかで、働き方に違いが出てきます。
こういった仕事の進め方についてもきちんと触れておくと、マッチする人材が応募してくれる可能性が高まります。
応募要項など、3職種に関する具体的なアピールの仕方は、次回で例をお見せします。
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