ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第873回
「銅配線はまだ重要か? 答えはYesだ」 NVIDIA CEOジェンスンが語った2028年ロードマップとNVLink 8の衝撃
2026年04月27日 12時00分更新
GTC 2026アップデートの3回目となる今回は、2028年のロードマップについて説明しよう。実は基調講演の中で2028年、つまりFeynman世代についてはあまり詳細な説明はなかった。ロードマップとして示されたのが下の画像だ。
2028年の部分を拡大してみると、以下のことが明らかになった。
- FeynmanはDie StackingとCustom HBMを採用
- LP40がNVLinkを搭載
- CPUがVeraからRosaに更新
- NVLink 8にはCPOが用意される
それに加え、
- KyberベースでNVL1152が投入される
以下これを順に説明していく。
Feynmanの鍵を握る「Die Stacking」と「COPA」構想
まずFeynman。基調講演の中では名称が呼ばれただけで、基調講演の後のQ&Aでも特に言及がなされていない。したがってDie StackingとCustom HBMを使うこと「だけ」が公開情報になる。
このDie Stackingであるが、これに関してNVIDIAが2021年に発表した"GPU Domain Specialization via Composable On-Package Architecture"という論文がある。
COPA(Composable On-Package Architecture)というのは、従来のGPUの構成をモジュールレベルで分解し、必要に応じて組み合わせを変えることで、用途別(Domain Specific)な製品を構築しよう、というものである。
動機は、HPC向けとAI向けではGPUに対する性能要求が異なるところからスタートする。プロセス微細化にともない演算器を大量に集積できるようになり、特にDeep Learning向けのスループットはどんどん向上している。一方でダイサイズはReticle Limitにより制限され、またメモリー搭載量やメモリー帯域はプロセス微細化の貢献が薄い。結果、今後は演算性能に対してメモリー帯域が決定的に不足するという予測になった。
悪いことに、このメモリー帯域の不足はアプリケーションによって影響が異なる。NVIDIAの分析によれば、Deep Learningの訓練/推論はDRAM帯域がボトルネックになっており、実行時間の28~30%がDRAM帯域の制限に由来すると予測される一方、HPCアプリケーションでは仮に帯域を無限にしても性能は5%ほどしか向上しないという結果が出たという。
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