第12回 「VAIO、法人向く。」の現在を探る

2つのSIMを使い分けることで公私の区別とコストを削減

VAIO Phone AのDSDS対応が企業にもメリットをもたらす

文●飯島範久 編集●ASCII

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DSDS対応が会社も社員も満足させる

 金額的な面もお勧めポイントの1つだが、注目したいのがDSDS対応である。VAIO Phone AのDSDSは、LTE通信は片方のみで、もう一方は3G通話になる。このため、同じ速度での通信の切り替えというわけにはいかないが、3G音声通話は、2つの番号で同時に待ち受けできるので、たとえば仕事用とプライベート用とに電話番号を分けて利用するということが可能だ。

↑SIMスロットが2つあり、右がSIMスロット1(nanoSIM)、左がSIMスロット2(microSIM)。SIMスロット2はmicroSDと共用のため、併用はできない。

 社員にスマホを貸与すると、社員は仕事用とプライベート用と2つのスマホを持ち歩くのはとても面倒になる。かといって、プライベートでこれまで利用していた電話番号を、会社貸与の電話番号にしてしまうのは、公私混同にもなるし会社的にもプライベートでの通話費用を負担することになりよろしくない。DSDS対応なら、会社用のSIMとプライベート用のSIMを2枚差すことで、仕事の電話もプライベートの電話も1つのスマホで受けられることになる。

↑どちらの電話番号にかかってきたかは、SIMごとに名前を設定できるのと色を選択できるのでわかりやすくすることが可能。

 最近、BYOD(Bring Your Own Device・社員が個人所有の機器を業務で利用する)を導入している企業も少なくないが、社員がVAIO Phone Aを利用してもらえれば、SIMだけを会社が支給して仕事に利用してもらい、プライベートのSIMも同時に差せば公私分けて使える。

 公私で使えるとなると、心配なのがセキュリティの問題。会社の情報が漏えいしたり、危険なアプリをインストールしたり、スマホ自体を紛失してしまったりと、不安な要素は付きない。そんなときは、社員が利用する端末を一元管理するEMM(エンタープライズモバイル管理)を導入すれば、1台1台の端末の管理やアプリケーションの管理、紛失時のデータ削除などをリモートで行なえる。会社で利用するアプリは、クラウド上にまとめて仮想的に作業すれば端末側にデータが残らないので、紛失時も情報漏洩の可能性は低くなる。EMMへの登録作業もVAIO Phone Aなら、キッティングサービスのひとつとして対応できるので、大量に導入する際も情シスに負担をかけずに済む。

↑VMwareの「Workspace One」は、EMMである「AirWatch」をはじめデバイス管理機能による情報資産の保護や、コンテンツマネージメント機能、シングルサインオンなど各種ソリューションをパッケージングしたサービスだ。

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