ソニー時代から現VAIOまで続くものつくりの魂
祝・25周年!VAIOの歴史から最新モデルに受け継がれるDNAを探る
1997年7月に日本で発売を開始した、ソニーのグローバルPCブランド「VAIO」。それから様々な製品が生み出され、今年は25周年という節目の年。そして、この7月はソニーからVAIO株式会社へ独立して、8年目となる月でもある。
すでにVAIO日本発売25周年記念キャンペーンがスタートしており、目にしている人も多いことだろう。お得にVAIOを購入できるクーポンやオリジナルグッズが手に入るチャンスや、VAIO好きならぜひ挑戦してほしいVAIO 25周年クイズ、VAIOの主な製品が並ぶVAIOヒストリーもあり、VAIOの思い出に浸ってほしい。
そこで今回は、長年アスキーに携わってきた生き字引の二人、ASCII.jp・週刊アスキー・MIT Technology Reviewascii.jpの編集長コバQと元週刊アスキー編集長のみやのプロに、VAIOの思い出を語ってもらった。
やはりバイオノート 505は印象深い
1997年7月に日本で発売されたのは、デスクトップマシンの「PCV-T700MR」と、A4サイズのノートPC「PCG-707」と「PCG-705」の計3モデル。VAIOブランドとしては、すでに前年の1996年9月から米国で販売開始されていたが、日本国内で発売された日を起点として、今年25周年を迎えたことになる。
もっとも、VAIOがソニーとして初のパソコン事業かというと、そういうわけではない。1980年代にSMC-777やHiTBiTブランド、UNIXワークステーションのNEWSなどを展開していたが、その後撤退。パソコン市場への再挑戦がVAIOブランドだった。
珍しいバイオレット色の筐体を採用したVAIOは、新世代パソコンの登場を印象づけ、当初はAV機能に重点を置いた製品が数多くラインアップされていた。
コバQ 「VAIOの思い出は何か? とみんなに聞くと、バイオノート505(PCG-505、1997年)とかVAIO C1(1998年)、type P(2009年)といった話題性/独自性の高いモデルを挙げる人が多いですね」
みやのプロ 「バイオノート505が発売されたとき、週アスの表紙をジャックしたんだよね。ちょうど本誌サイズに実寸でぴったり収まるサイズで。創刊5号目だったかな」
コバQ 「B5ファイルサイズで厚さが23.9mm、重量が約1.35kgと、薄くて軽くてデザイン性の高いモバイルノートとして注目を集めましたよね。実は薄くて軽いマシンは、他のメーカーでもありましたが、めちゃくちゃ高くて。私は発売日にバイオノート 505を購入しましたが、秋葉原のソフマップで24万8000円ぐらいでした。学生でもがんばれば買える価格でしたね」
みやのプロ 「軽量化のために採用したマグネシウム合金が、そのあと『銀パソ』と呼ばれてブームを巻き起こして、他のメーカーもみんな真似したんだよね」
コバQ 「個人的に記憶に残っているのがモデムを内蔵していて、パソコンから電話がかけられたこと。あとフロッピードライブやCD-ROMドライブなど周辺機器もVAIOのカラーとデザインに統一されていて、そこに新しさを感じました」
みやのプロ 「スペック見ると、CPUはPentiumで動作周波数は133MHz。解像度が800×600ドットでメモリーが32MB!」
コバQ 「今からすると、よくそんな解像度とメモリー容量でWindowsを操作していたなぁと感慨深いですね。あと、確か3ヵ月後ぐらいに動作周波数233MHzのPentiumを搭載したモデル(PCG-505EX)が出て。倍近い速度差に愕然とした記憶が……」
みやのプロ 「VAIOって小さいノートPCをいろいろと産み出してきたけど、その血統はVAIO S11やVAIO SX12といった13型サイズ以下のノートPCに脈々と受け継がれていると思う。他のメーカーがあまり扱わないサイズを作り続けているからね」
かなりのVAIOを使ってきた
コバQ 「僕のVAIO遍歴は、バイオノート505、次に17型と特大サイズのtype A、逆に4.5型と極小でスライドキーボードのtype U、VAIO株式会社になってからのVAIO S13、そして勝色(かちいろ)のVAIO SX14ですね。ほかにもロードテストなどで長期使用していたものもありますが、これらは自腹で購入しました」
みやのプロ 「僕の場合はモバイル系、特に小さいサイズのモデルはかなり買っていたね。VAIO C1とかtype Pはもちろん、type Uなんて全部買っていたんじゃないかな。
コバQ 「VAIOといえば”カメラ”という印象も強いですよね。みやのさんも使っていたC1の回転カメラもですが、VAIO GTなど印象的なものが多かったですね」
みやのプロ 「持ってた。これって、YouTuber向けだよね。今この手のものを出しても面白いかも」
コバQ 「僕はどちらかというと、ハイパフォーマンスなVAIOが好きで、バイオノートSRとかが印象に残っている機種ですね。バイオノート505 EXTREMEでUDカーボンを採用して薄さに挑戦したり、かなり尖ったモデルも多く世に送り出してきましたが、type Tあたりが今のVAIOの雰囲気に近い感じがします」
みやのプロ 「バイオノート505の10周年記念モデルとしてtype Tで出さなかったっけ? ヒンジ部分がバイオレットカラーのシリンダーになっていた」
コバQ 「ありましたね。VAIOというと、バイオレット色のイメージがあるけど、実はそんなに多くのモデルはないんですよね」
みやのプロ 「あと、やっぱり印象的なのはVAIO Zでしょう。何年かおきにガツンと出て、そのあと消えてまた出てくるという(笑)。フラッグシップでもあるので、毎回出るたびに買ってます」
コバQ 「最初のモデルは2003年のバイオノートZで、デザインも特徴があって。14.1型だけど今のようなモバイルではなくCD-ROMドライブも内蔵できた2スピンドルタイプでした」
みやのプロ 「GPUも積んでいたり、Zシリーズはハイパフォーマンスを追求し続けているよね。モバイルとしてのメインマシンは、ほぼVAIO Zだったかな」
現在にも通ずるVAIO魂とは
コバQ 「ソニー時代から継承されているVAIO魂を感じるものって何ですか?」
みやのプロ 「通信系は最初からこだわりがあったよね。あと、昔はワンセグを内蔵したモデルも多くて、type Tでは液晶の上にアンテナを引っ張り出す仕組みがあって、電波感度にかなりこだわっていた。VAIO株式会社になってからもそのこだわりは受け継がれているよね。発表会のたびにWi-FiやWANのアンテナに対して解説するパソコンメーカーってほかにあまりないと思う(笑)」
コバQ 「薄さ軽さへのこだわりというのも、今のVAIO Z、VAIO SXシリーズに継承されていると思います」
みやのプロ 「キーボードもフルサイズとかタイピングのしやすさにこだわりつつ、薄さ軽さ、そしてバッテリー駆動時間のバランスをしっかり考えて設計されているよね」
コバQ 「あと、カラバリの多さというのもVAIO魂を受け継いでいますよね。ブラックとシルバーだけではない選択肢があるのは嬉しいですし、僕は結構このアーバンブロンズとか好きです」
みやのプロ 「BTOも割合早くから、他社に先駆けて行なっていたんじゃないかな。日本メーカーのパソコンで、英語配列キーボードが選べるのなんて、VAIOぐらいだし」
コパQ 「性能面でもソニー時代からこだわっていますよね。昔は同じCPUでも他のノートPCより速いと言ってて、なぜ? と思ったことがあって。今でこそVAIO TruePerformanceとしてその秘密を語っていますが、チップをそのまま載せるのではなく、ちゃんとパフォーマンスを追求する設計をして、きちんと性能向上を目指している姿勢は、今でも変わらないですね」
みやのプロ 「個人的には、以前みたいにGPUを搭載したモデルも出してほしいなぁと思ってます」
コバQ 「VAIOってこれまで、奇抜なデザインだったり他社にはない機能を搭載したりして注目されてきた印象が強いですが、実は実直なモデルもたくさん出していて、性能や使いやすさにこだわったものづくりメーカーだと思っています。今のVAIO株式会社になってからは、そうした実直なモデルに凝縮した感じになっていますが、その根底にある本質は、ソニー時代とあまり変わっていないし、これからもVAIO魂は生き続けていくと思いますね」
7月・8月それぞれでプレゼントキャンペーン
日本発売25周年に合わせたように、VAIO SXシリーズが一新され、VAIO S13が復活するなど、ユーザーのニーズに合わせたハイパフォーマンスなモバイルノートを提供している。昔はVAIOを使っていたけど、ちょっと離れてしまったという人は、ぜひVAIOのサイトで現行製品を確認してほしい。
先述の通り、SNSを使ったキャンペーンを展開しており、最新のVAIOシリーズの購入にオトクなクーポンプレゼントや記念Tシャツのプレゼントなどの「想い出のVAIO」キャンペーンを実施中だ。7月と8月で各25名にプレゼントなので、チャンスは2回ある。
また、自分のVAIO愛が試せる「VAIO25周年記念クイズ」に挑戦してほしいし、「VAIOヒストリー」で、過去に注目されたマシンを懐かしんでほしい。
(提供:VAIO)
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