保証書のデジタル管理から車・不動産、そして保険へ進むWarrantee
日本発InsurTechスタートアップが本格始動
アプリとしての完成度はまだまだ途上
ただの保証書アプリの先には大きな展望があった。コンシューマー側のユーザー口座を開くだけではない、製品寿命や保険といった深い広がりがWarranteeには存在する。
とはいえ、実際触ってみればわかるが、アプリとしての完成度はまだまだ途上だ。これは庄野氏も認めているところであるが、今までは製品データベースの構築や保証書管理を運用する上でのサービス体制を構築するのに多くの労力を費やしてきたために、ユーザー利便性を向上させるのが後手に回ってしまっていた。今後は、ユーザーの利便性に注力すべく、アプリの操作性向上などを重点的に改善に力を入れていく。
そのために、裏での準備も着々と進められているという。重要なポイントである商品マスターの仕組みについて聞いてみると、そのデータベースにはセブンイレブンのデータ活用術が活かされているらしい。Fintechブームの裏でのステルス戦略が生きた実例と言えるWarrantee。将来どこまで行くかが楽しみだ。
「大学時代の恩師が元々セブンイレブン・ジャパンの専務だった方。そこでデータ活用の意義を学び、それがきっかけで弊社もデータビジネスに近いことをやっている。細かい商品名でデータを作るよりも、その上の階層のジャンルでそろえていくことが比較的重要だと気付かされた。タグを付けていくみたいな感じで、うまく管理して階層順にしていく。そうすれば商品名が細かく変わってもデータベース的には問題がない」
庄野氏の鼻息は荒い。各種サービスでは、すでに業務技術特許も申請している。しかし、まだまだ課題は多い。たとえばオンデマンド型保険となると、決済もデイリーでしなければならない。また、すでに壊れた製品が保険申請されることなど、見えない実装への課題解決はこれからとなる。
だがこの先に待っているのは、ユーザーが製品を購入したあとから次の買い換えまでをサポートする”買った後の、すべてを支える。”という世界観だ。着々と整えられているその先にある便利な未来の実現が待たれる。
●株式会社Warrantee
2013年10月21日設立。スマホアプリによる保証書の電子化サービス『Warrantee』を開発・運営。
資金調達関連では、日本ベンチャーキャピタル株式会社より2013年11月に第三者割当増資での1億円のほか、クックパッドやオートバックスとの資本業務提携を行なっている。
スタッフ数は2017年7月時点で10名。