関西IT系ベンチャーマップ【大阪編】
トーマツベンチャーサポート関西地区リーダーの権 基哲(コン キチョル)です。関西のベンチャー界隈を発信していくシリーズの第3回目は“関西IT系ベンチャーマップ~大阪編~”です。
なお、本記事における意見は筆者の意見であり、筆者が所属するトーマツベンチャーサポート株式会社およびその関係会社の公式見解ではないことをお断りさせていただきます。
現在東京のベンチャーマップはウェブ上で多く出回っていますが、関西のベンチャーマップはほとんどありません。また、第1回の記事でも書いたように、「関西ってベンチャーあるの?」と聞かれることが多い中で、地方ベンチャーの共通の課題として、ほかの地域から見たときに下記の2点がわかりづらいといわれます。
1.受託会社なのか自社サービスをやっているベンチャーなのか
2.どの地域の会社なのか
そのため、関西であれば“関西+ベンチャー”という両方のタグがそろって認識されることが難しいと考えています。そこで今回、関西の中でも“大阪”の熱いIT系ベンチャー企業をマッピングしてみました。抽出基準は、アーリーステージ(プロダクトがあり一定程度売上が継続計上されている)~上場前の自社サービスを持つITベンチャーです。
こちらが大阪市のベンチャーマップです。大阪の中心部大阪(梅田)から繁華街の難波周辺と、やはりオフィス街にベンチャー企業が集まっています。
第15回の記事にもあった大阪から世界へイノベーションを起こすために設けられたOIH(大阪イノベーションハブ)があるグランフロント大阪は、大阪駅と隣接されて交通の便がいいこともあるものの、このあたりは地価が高騰していることから、このオフィスエリアにはステージの高くなったベンチャー企業が少しずつ移転してきているようです。
また第11回の記事にもあった淀川の北~新大阪駅にある「にしなかバレー」にもどんどんベンチャー企業が集積し始めています。
このように大阪市内のベンチャー企業はJR大阪環状線の内側に、特に関西でも乗客数の多い大阪市栄地下鉄御堂筋沿線の心斎橋駅~梅田(大阪)駅に、集まっているようです。
こちらが大阪市以外のベンチャーマップです。
大阪市を離れるとベンチャー企業の数は極端に減る傾向にあることがわかります。その中でもベンチャー企業のある地域としては、太陽の塔や箕面の滝がある北摂、司馬遼太郎記念館がある東大阪、大阪市に次いで人口が2位であり、千利休で有名な堺です。
以上、関西ベンチャーマップ~大阪編~でした。いかがでしたでしょうか。
まだまだ東京に比べると多くはないですが、思っていたよりかなり多いと感じていただけたのではないでしょうか。ここには掲載されていないシード期の中にもおもしろい会社が多いので、これからの大阪が楽しみです。
今後、要望があれば関西ベンチャーマップ~そのほか地域~も作成していきますので、ご期待ください。
権基哲(トーマツベンチャーサポート)
2007年大阪市立大学経済学部卒。2008年に公認会計士試験合格後、大手監査法人にて製造業、卸売業、小売業、金融機関と多様な業種の会計監査を行う。IPO支援として内部統制構築支援、上場準備監査にも従事。2013年よりトーマツベンチャーサポート株式会社関西支部の立ち上げを行い、2015年より関西事業部の責任者として活動。大企業とベンチャーをつなぐ「Morning Meet up」、2014年には地方のベンチャーキャピタル向けプレゼンテーションイベント「全国StartupDay」、2016年より大阪市シードアクセラレーションプログラムの統括責任者をそれぞれ務める。専門分野はビジョン組織構築、スポーツ、シェアリングエコノミー。