スタッフの顔と名前の一致に特化した「カオナビ」を体験してみた
1 2
登録した顔写真付き人事データを縦横無尽に活用してみる
まずは全国チェーンの社長さんもやっている活用法から。視察に向かいがてら、スマホでその支店を絞り込み、社員情報をチェックするのだ。顔と名前を見ておくだけで、現場での認知率は格段に向上するはず。さすがに10分前に見ておけば忘れることもないだろう。名前で呼びかけるだけでなく、「出身青森なんだって?」とか「僕も○○大学出身なんだよ」のような会話もできる。現場スタッフのモチベーションが上がることは間違いない。
新規プロジェクトを立ち上げたいとか、何かのイベントに参加する人を絞り込みたいときには「PICKUP LIST」機能が便利。リストを作成したら、顔写真を見ながらドラッグ&ドロップで追加していくだけでいい。もちろん、人材はいろいろな条件で絞り込める。例えば、TOEICの点数でスクリーニングして海外部門の面子を検討したりできるのだ。人材を顔写真でブックマークする感じだ。
ユニークで活用法がいくらでも考えつきそうなのが、「SHUFFLE FACE」機能。横軸と縦軸に条件を設定し、マトリックスで顔写真を一望できるのだ。いろいろな切り口でスタッフ全員を一望できるのはとても面白い。
支店と雇用形態や性別で並べて、バランスを調整するのも簡単。顔が見えているので、名前や社員番号とは比べものにならない情報量を元に判断できるのがメリットだ。企業によっては、TOEICの点数や社内評価、アパレルであれば身長といったステータスで分類するのもあり。シミュレーション機能もあり、自由にドラッグ&ドロップで入れ替えながら会議できるので分かりやすい。もちろん、シミュレーションを終了すれば元の状態に戻る。
アンケート機能や詳細なアクセス権限管理機能も備える
機能の1つである「VOICE NOTE」では、メンバーからアンケートを集められる。項目もフォーマットから自由に設定できる。異動の希望などを募るのに活用できそうだ。
忘れてはならないのが、人事情報は個人情報だ。同僚とは言え、同様の情報をメンバー全員に見せられるものでもない。そこで活躍するのが詳細なアクセス管理機能だ。どの情報をどこまで閲覧できるか、というアクセス権限を任意に作成できる。部長は現職者と入社予定者を閲覧でき、スタッフは現職者のみ。もちろん経営層は退職者も閲覧できる、といった具合にあらゆる情報について管理者権限をカスタマイズできるのだ。なんなら、部長歴1年未満と1年以上のように細かく作成することも可能。このアクセス権限管理機能のおかげで、入れられるデータは一通り入れて、後から活用法を考えられるのだ。
カオナビ代表取締役の柳橋氏によると、顔と名前が一致しなくなる閾値は100人程度という。とは言え、筆者のように顔を覚えるのが苦手で、数十人規模でも導入している企業があるそう。ある程度の人数を抱える企業で、顔と名前が一致しないという悩みがあるなら、一度検討してみてはいかがだろうか。
筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。
1 2