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自走してラジコンのように操作できる監視ロボット「ilbo」を体験してみた

連載
柳谷智宣の「スタートアップDive!」

 遠隔地から自宅の様子をチェックしたい、というニーズは大きい。古いスマホを使う技から、ネットワークカメラまで多様な方法があるが、どれも据え置きが基本。死角に入ったペットの様子を見ることは難しかった。そこで今回体験するのが「移動式お留守番カメラilbo(イルボ)」。Wi-Fi対応の監視カメラなのだが、なんとカメラ自体が自走するのだ。これで動き回るペットも追いかけることができる。

留守中のペットは何をしているのか? 外出先から「ilbo」でチェックできる

ilbo
プラットホーム ハードウェア、アプリ 企業名 株式会社エクストラン
代表取締役 羽土満 設立 2009年1月
取引形態 BtoC 利用料金 3万3480円(本体)、アスキーストアでも販売中

カメラそのものを動かしてペットの様子をチェックできる

 留守にしている自宅で、ペットは何をしているのだろうか。そんな時に、ネットワークカメラが活躍するが、ペットは動き回るもの。カメラ部分を動かせる製品も発売されているが、どうしても広い範囲の監視は難しい。そこで登場したのが「ilbo」。ラジコンのように遠隔操作できる監視カメラだ。

 スマホやタブレットを操作パネルにして、ネット経由で「ilbo」をラジコンのように操作できるのだ。家中を自由に走り回れるので、ペットを追いかけることもできる。

 本体サイズは幅180×奥行き180×高さ174㎜、重量は880gとなかなか大きい。通信にはWi-Fiを利用するが、IEEE 802.11 b/g/nなうえ、2.4GHz帯のみなので接続時には注意すること。電源は1800mAhニッケル・水素電池を搭載しており、充電して利用する。満充電でおよそ2時間の動作が可能だ。

「ilbo」の本体と充電ステーション。価格は、本体が3万3480円、充電ステーションは別売りで3780円となる

カメラ部分は上下にチルトできる

スイッチと充電コネクターは裏面にある

別売りとなる充電ステーション。リモート操作で充電をスタートできるので、是非一緒に買っておきたい

初回はWi-Fiの設定が必要だが、その後は簡単に接続できる

 操作はスマホアプリから行なう。「ilbo」で検索して、アプリをインストールしよう。まずはメールアドレスでアカウントを登録する。続いて、スマホのWi-Fiで「ilbo」というアクセスポイントに接続する。パスワードは不要だ。この状態で、アプリを開くと利用するWi-Fiの情報を入力する画面が開く。SSIDも手動入力しなければならないので、あらかじめ確認しておこう。これでアプリを再起動すれば、「ilbo」が認識されるようになる。もちろん、スマホのWi-Fiはいつものアクセスポイントにするか、オフにしていい。

 自分の「ilbo」を選択し、「接続」をタップすれば横画面になり、映像が表示される。あっけなく繋がったので、びっくり。同じWi-FiにいなくてもOKということは、面倒なルーターのポート開放などの手間が不要と言うこと。この簡単さは嬉しいところだ。ちなみに、利用しているポートはUDP1194とのこと。

 接続が完了すると、カメラの映像が表示される。ただ、部屋の明かりは付けていたのだが、画像がモノクロになっていた。これは明度の問題で、暗い場所では自動的にナイトモードになるのだ。部屋のすべての明かりを付けたところ、通常の映像になった。とは言え、フルカラーというよりは、ちょっと赤みががった映像だった。もちろん、ペットの様子はきちんとわかる。

アプリを起動したらまずは「ユーザ登録」をタップする

メールアドレス、パスワード、秘密の質問を登録する

スマホのWi-Fi設定から「ilbo」に接続する

アプリを開くと、SSIDと暗号化キーを求められる

「稼働中のilboを選択してください」を開き、ilboを選択する

「接続」をタップできるようになる

光量が足りないとナイトモードになり、画面がモノクロになる

想像より快適に操作できて楽しいし活用度も広そう

 ネット経由なので、ボタンをタップしてからアクションが起きるまでに1~2秒かかるがこれはしょうがない。まずは「GO OUT」をタップして、充電台から出発させる。充電台なしの場合は、そのまま操作できる。

 左下のLとRで左や右に回転でき、上が前進、下が後退となる。上のSLOW/FASTで移動速度を調節可能。移動速度はSLOWで5cm/秒、FASTで9cm/秒となる。フローリングの上に引いてあるカーペットはどうかと思ったが、8㎜の段差を乗り越えられるようでなんとか行き来ができた。これでリビングとキッチンの全域を移動できる。右下のボタンは見たままで、マイクを押すとトランシーバーのような双方向の通話ができ、上下ボタンでカメラを動かせる。チルトは上が70度、下が20度となる。

 筆者宅には黒柴犬がいるのだが、「ilbo」が動き出したら興味津々。びびりまくっているが、様子を伺いに来た。カメラの画素数は30万画素で解像度はVGA。今どきの監視カメラとしては解像度が低いかな、と思ったが、近づいて撮影するので監視は問題なく行なえる。赤外線LEDを搭載しており、暗視モードの際の撮影可能距離は3~5m。

明るければ自動的にカラーモードになる

稼働時には何事かと興味津々

逃げたのでキッチンまで追いかけてみた。移動速度はそれほど速いわけではない

夜間は暗視モードでチェックできる

今後、エアコンのオンオフや録画ができるようになる予定

 映像の画面には、ステータスやバッテリー残量に加え、温度センサーを搭載しているので室内の気温も表示されている。自宅の状態をチェックできるのはありがたいところ。

 さらに、学習リモコン用IR LEDを内蔵しているのも見逃せない。現在のところは、何も利用できないが、年内~年明けくらいまでにアプリをアップデートし、エアコンやライトなどのリモコンを学習できるようにする予定だ。これで、自宅の気温をチェックし、寒そうだなと思ったらエアコンを入れてあげる、といったこともできるようになる。また、現在はリアルタイムで閲覧するだけだが、録画機能の搭載も予定しているという。

 今回はペットの監視にフォーカスしたが、電化製品の消し忘れや窓の閉め忘れなどをチェックしたり、高齢者の見守りにも活用できる。アプリの新機能も急ピッチで開発されているようなので、どんどん便利になりそう。監視カメラが動けばいいのに、と思ったことがあるなら、導入を検討する価値ありのプロダクトだ。

筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。

移動式お留守番カメラilbo(イルボ)+専用充電ステーション

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