GTX 950をPascal化してテコ入れ
ではGTX 1050/1050Tiのスペックを確認しよう。コア名はGP107となっており、1つ上のGTX 1060とはアーキテクチャーは一緒でも系統的に別モノ。最初からエントリーミドル向けに設計されたものであることを示している。
注目すべきポイントはTDPがPCI Expressスロットからの給電だけで賄える75Wに抑えてあるため、補助電源コネクターが不要という点(ただOC版は補助電源を持つものもある)。
またCUDAコア数などのスペック周りは、GTX 950によく似ているが、クロックが若干早くなっている。GTX 1060~1080に比べ、クロックの攻め方がえらく控えめとはいえ、スペックをアップして消費電力が減っているからこそTDPは75Wなわけで、このあたりはさすがPascalと言うべきだろう。
ただPascal世代ということは、同時マルチプロジェクションやシングルパスステレオ、レンズマッチドシェーディングといったVR向けの機能を備ているが、スペック的にGTX 1050/1050TiはVR向けとは言い難い。あくまで従来型のPCゲームを快適にするための製品、と考えるべきだろう。
それでは以下に、今回入手したZOTAC/MSI製カードを簡単に紹介するとしよう。
ZOTACからはリファレンス仕様のGTX 1050およびGTX 1050Tiカードをお借りできた。リファレンス仕様ということはどちらも補助電源なし、かつショート基板の扱いやすい構成。IOパネル側のブラケットは1スロット仕様だが、クーラー自体は2スロット厚な点に注意だ。
MSIからはGTX 1050TiのOC版をお借りした。デフォルト時のGaming Modeにおけるブーストクロックは1417MHz(127MHz増し)となっている。電力供給を安定させるため本製品は補助電源が搭載されているが、6ピン1系統で済むため(ビデオカードの交換・増設経験があれば)扱いやすさはさほど悪化していない。
低温時はファンが停止する準ファンレス仕様の高性能クーラーを搭載しているため、小さくても冷却にこだわりたいユーザー向けの製品といえる。
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