自ら考え行動できるエンジニアの力が生かせる“テックリード”
ココロオドル職場紹介:技術開発チームを牽引する新たなポジション“テックリード”が企業を変える
いまだ国内では耳にすることが少ない「Tech Lead(テックリード)」。先んじてその任用に取り組んだのは、開発組織の拡大と向上を目指すリクルートライフスタイルである。その背景には、事業会社だからこそできる施策に取り組み、納期や組織だけでなく「技術的な品質」を優先し、職能にフォーカスしたキャリアプランを作るという同社の姿勢があった。
今回、エンジニアの働き方の未来を考えるASCII×Wantedly特別企画として、テックリードの採用を積極的に進めるリクルートライフスタイルでのエンジニアの新たなあり方について聞いてみた。
IT企業において重要なポジションを担う”テックリード“
エンジニア職における“テックリード“という役割をご存じだろうか。リクルートライフスタイルの場合は、サービス全体においてシステムの現状を可視化し、データモデル・アプリケーションの設計・定義を実施、推進する役割を担う存在となっている。また、チーム編成や優先順位付け、モニタリングなどの案件推進に必要なスキームを定義し、運用・緊急対応を行え、メンバーのコードレビューも含めた育成までも担う立場だ。
「ホットペッパービューティー」や「ホットペッパー グルメ」「じゃらん」などの圧倒的なユーザーボリュームを持つサービスを運営するリクルートライフスタイル。同社がテックリードを設置し始めたのは、各プロダクトの品質改善を担保するためと、誰もが納得のいく基準でのキャリアプランをつくるためだった。
グループマネジャーがエンジニア職の透明性を高めるために任用基準をつくり、それに基づいてテックリード選定が行われている。2015年下期からテックリードの設置を具体的に起案し、検討を行い、2016年4月からテックリードの任用をスタートさせた。テックリードには、開発プロセスの改善提案や、将来的なシステムの技術戦略の策定と技術選定を行うことが期待されている。
リクルートライフスタイルでは現在5名がテックリードに任命されている。その一人である、同社ネットビジネス本部 ディベロップメントデザインユニット プロダクト開発3グループの高丸翔英氏。同氏は、社内テックリード運用の先駆けだ。
エンジニアの文化をつくれるタイミングで入社
リクルートと聞けば「営業が強い会社」というイメージを持つかもしれないが、「実はテクノロジーの会社」だと高丸氏は強調する。
高丸氏はエンジニアとして大手ECサイト運営会社に新卒入社。ポータルサイトの開発リーダーを務めた後、プラットフォームのグローバル展開に開発リーダーとして携わり、4カ国のショッピングモール立ち上げを担当した。その後、デジタルコンテンツプラットフォームを運営するベンチャー企業に入社。記事配信プラットフォームの開発・運用、新コンセプトのCGM(Consumer Generated Media)立ち上げを担当するなど、数々の実績を持つ人物である。
だが、「もっとビジネス面にも関わり、大きく成長していく組織やシステムを考えながら働きたい」という気持ちが強くなり、2015年3月にリクルートライフスタイルに入社する。
「リクルートライフスタイルがエンジニアを増やし、エンジニアの文化をつくっていけるような時期にあり、タイミングが良いと思って転職しました。大きなサービスを成長させていくなかでチーム体制を考えることに興味を持ち始めていたので、企業規模の面でも自分の希望に沿っていました」(高丸氏)
サービスの品質を担保する力と、
技術推進力が求められるテックリード
現在はテックリードとしてチームを率いながら、「ホットペッパービューティー」のエンジニアリングを担当している。「ホットペッパービューティー」は1日約13万件以上もの予約アクションが行われる巨大サイトである。この運営を開発統括が一人で牽引することは難しい。なにしろ、開発メンバーは約100人もいるからだ。そこでシステムの可視化やデータモデル・アプリケーション全般の設計・定義などを行うのがテックリードの役割となる。
一般的にエンジニアの将来像は、グループを管理するマネジャーになるか、あるいは技術を磨いてスペシャリストになるかの二者択一であることが多い。だが、リクルートライフスタイルにはエンジニアが目指すべき道がもう1つある。サービスの品質を技術的にしっかりと担保し、さらにそのサービスを提供する目的が何かを追求するビジネス思考を併せ持つ存在、それがテックリードだ。
「テックリードはチーム編成や優先順位付け、モニタリングなど案件推進に必要なスキームを定義して、運用・緊急対応も行います。現在は大きなプロダクトからテックリードが置かれていますが、僕は各チームにテックリードがいてもいいのではないかと考えているんです。サービスをきちんと担保でき、かつサービスを愛する気持ちを持つエンジニアが、テックリードにふさわしい人物。テックリードは技術者でありながら、組織のことも考えられる、これからますます重要性が増すポジションになると思います」(高丸氏)
同社にはプロダクトごとにテックリードが存在し、それぞれが共有するカルチャーをつくっている。案件ごとに「こんな技術を使いたい」などといったエンジニア視点で相談できるような場所も用意しているという。
大企業らしくないフットワークの軽さが
実現させるテックリードの真価
現在、リクルートライフスタイルが力を入れているのはスマートフォンアプリの開発だ。ベンチャー企業であれば、Swiftなどの新しいプログラミング言語をチームで機動的に扱えるが、大手の場合はサービス全体にどのような影響が生じるのかといったことを検証しなければならない。
リクルートライフスタイルでも検証は行われるが、開発者が中心となって「Swiftに変えていこう」といった話が生まれ、プロデューサーと相談するなどして素早くチャレンジできる風土がある。
このような風土について高丸氏は、リクルートライフスタイル入社以前、同社の社員から「自分のやりたいことができる会社だ」と聞いていたが、その言葉に間違いはなかったという。
たとえば、入社後に配属された部署の上司は、AWS(Amazon Web Services)を利用してマネジメントコストを下げ、運用を容易にし、システムに拡張性を持たせるなど、従来のリクルートの社内カルチャーを変えていく人物だった。刺激を受けた高丸氏自身、「文化を変えていきたい」と思える社風を感じている。
テックリードに言語やアーキテクチャ選定の職務要件も求められる理由はここにもある。「新しく入社していただく方には、一生懸命開発するとともにサービスへの愛情を持ってほしいし、自分が担当するサービスを誰よりも一番よく知っていると思えるようになってほしい。自分で考える力を持っている人にはぜひ、扉を叩いてもらいたいですね」
もちろん、開発プロセスの改善提案や、将来的なシステムの技術戦略の策定、技術選定、そしてエンジニアのキャリアプラン作成など、テックリードに期待される役割は決して少なくない。そして、大規模なサービスならではの責任感も求められる。
大企業らしい安定感と、スタートアップ企業のような柔軟性を併せ持つリクルートライフスタイル。国内ではまだ少ないポジションであるテックリードだが、自ら考え、行動できるエンジニアにとって、その力を十分に活かせるはずだ。現在、同社は新たな風を吹き込んでくるスタッフを求めている。実際にその働き方を聞きたいなら、ぜひ話を聞きに行ってほしい。
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