最新パーツ性能チェック 第191回
爆売れGTX1080の弟ぶんの性能はいかに?
性能はGTX980Tiに匹敵? Pascalベースの準ハイエンド「GeForce GTX 1070」をレビュー
2016年05月30日 12時00分更新
検証環境はGTX1080レビュー時と共通
ウンチクはこの辺にして、早速ベンチマークでGTX1070の実力をチェックしてみよう。今回は検証時間の関係上、前回のGTX1080のベンチマーク結果を流用するが、比較検証用にGTX970のOCモデルも追加した。以下に検証環境を示す。
●テストPCの構成
CPU:インテル『Core i7-6700K』(4GHz、最大4.2GHz)
マザーボード:ASUS『Z170-A』(Intel Z170)
メモリー:Crucial『BLS2K8G4D240FSA』(DDR4-2400、8GB×2)
グラフィックボード:GeForce GTX 1070 Founders Edition
GeForce GTX 1080 Founders Edition
GeForce GTX TITAN Xリファレンスボード
MSI『GTX980Ti GAMING 6G』(GeForce GTX 980Ti)
MSI『GTX980 GAMING 4G』(GeForce GTX 980)
ストレージ:インテル『750 Series SSDPEDMW400G4X1』(NVMe SSD、400GB)
電源ユニット:Corsair『RM650』(650W、80PLUS GOLD)
OS:マイクロソフト『Windows 10 Pro』(64bit DSP版)
また、前回は「EVGA Precision X」特別ビルドを使ってGTX1080のOCにも挑戦したが、GTX1080用に提供された特別ビルドをGTX1070で使うとPower Targetが112%(GTX1080は120%)と低くなってしまったため、OCは断念した。冷却力の高いオリジナルクーラー搭載版とPrecision Xの正式版が出たら改めて試してみたいところだ。
非OCのFounders EditionでもGTX980Ti並
最初に「3DMark」の“Fire Strike”および“Fire Strike Ultra”のスコアーを比較する。GTX980やGTX970にどの位の差がつくかに注目したい。
GTX1070のスコアはGTX970のざっと1.5倍、TITAN XとOC版GTX980Tiの間の性能といえる。GTX980を超えるのはまあ当然としても、2~3ランク上のGPUに比肩するとは驚くほかはない。GTX980Tiが649ドルでOC版の初値は10~11万円程度だったことを考えると、わずか449ドルのGTX1070がたった1年でこの域に到達したのだ。
続いてシステム全体の消費電力を計測し、さらに1ワットあたりのFire Strikeのスコアーをざっくりと求め、ワットパフォーマンスを比較してみる。電力の計測には「Watts Up? PRO」を使い、システム起動10分後を“アイドル時”、3DMarkの“Fire Stike”デモの同一シーン(橋上の最初の格闘)における安定値を“高負荷時”とした。
GTX970よりも1.5倍も高性能なのに、高負荷時の消費電力はGTX970とほぼ同じ。フルHD相当の負荷をかけるデモなのでVRAMをフルに使うような状況ではまた変わってくる可能性もあるが、OC版GTX980Tiの6割程度の電力しか消費しないのに、性能は同等という点には驚くばかりだ。1ワットあたりのスコアーでも、旧世代のGPUに対し圧倒的な差をつけているだけでなく、GTX1080をわずかに上回っている点に注目したい。
それでは重めのゲームにおけるフレームレートを調べていこう。GTX1080の時と同様、解像度はフルHDと4Kそれぞれで比較した。
「Tom Clancy's The Division」の場合、画質はプリセットの“ウルトラ”に設定。内蔵ベンチマークモードを起動し、その際のフレームレートを「Fraps」で計測する。終盤の戦闘シーンに入る所あたりでぐっと重くなるが、GTX1070ではどの程度影響されるかチェックしたい。
GTX1070はTITAN X以上、OC版GTX980Ti未満という3DMarkの結果を裏付ける結果となった。GTX970でも平均60fps近く出せるゲームではあるが、煙や天候表現等の影響で重くなるとGTX970ではカクつきを強く感じる。GTX1070でも最低fpsの落ち込むことはあるものの、スムースさはGTX970や980の比ではない。重量級ゲーム用の新たな定番になることは間違いないだろう。

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