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日本マイクロソフトが主催する“Microsoft Innovation Day”が、2016年4月23日に開催された。昨年まで別々に開催されていたスタートアップやベンチャー企業、大学の研究室がプロダクトで技術を競う“Innovation Award”と、高校生や専門学校生、大学生による学生のプレゼンイベント“Imagine Cup”を併催したイベントだ。
Innovation Awardはファイナルに残った16社が6分間でプロダクトやサービス、技術をプレゼンで競い合った。出場したチームもウェブサービス、スマホアプリ、ハードウェアガジェットに加えてIoT、VRと幅広い内容となっていた。
人の動きをコントロールする身体ハッキング
最優秀賞に選ばれたのは筑波大学人工知能研究室の『bioSync』だ。人の動きをコントロールするという“身体ハッキング”ができるプロダクト。
電気刺激によって、体を動かすという筋電技術なのだが、ユニークなのが開発された、このウェアラブルデバイスはインプットとアウトプットの両方が行なえること。ひとつのデバイスで生体信号を計測でき、筋電気刺激により動かすことも可能。
これにより2つのデバイスをネットワークでつないで、体を動かして動きを伝える側と、体が動かされる側とで、運動感覚を共有できてしまうのだ。一方が腕を動かせば、もう一方も同じように腕が動く。人の動きがトレースされる、身体ハッキングの応用方法は多彩。運動疾患の理解に利用したり、すでにパーキンソン病の患者の腕の動きをトレースして、利用しやすいスプーンを研究開発するといったことが行なわれている。
ちなみにイヤホンジャックでデバイスどうしをつないで利用しているが、これはパフォーマンスで実際にはブルートゥースで通信、ジャックをつなぐところがSFっぽいからという。
音声認識で文字起こしを次の次元へ
そのほか注目したいのは審査員特別賞とTHE BRIDGE賞に選ばれたHmcommだ。音声データの文字起こし、テキスト化に革新を起こそうと日本語認識精度の挑戦と普及を続ける、ぜひとも応援したい企業だ。
音声認識のクラクドAIプラットフォームを開発している。サービスの『The Voice』は文字起こしに特化したクラウドソーシングサービスを提供。
さらに注目の同社サービスが、音声や動画データをアップロードすると自動でテキスト化してくれるクラウド型自動テキスト化サービス『VBox』だ。音声を文節と単語に分けて、意味がとおるように分析しながら、テキスト化している。ピッチの短い時間内ではその精度まではわからなかったが、ぜひとも試してみたい。
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