ファーウェイは「MWC 2016」開催に合わせてWindows10搭載2in1ノートPC「MateBook」の発表会を開催しました。これまで多数のAndroidスマートフォンやタブレットを開発して来た同社として、MateBookは初のWindows PC製品となります。スマートフォンでは世界シェア3位まで上り詰めたファーウェイの考えるWindows PCとはどんな製品なのでしょうか?
「The new style of business」と題して行なわれたファーウェイMateBookの発表会。ファーウェイのロゴもいつもの赤ではなくモノトーンを使うなど、ビジネス向けの新製品発表にふさわしい雰囲気に包まれていました。
ファーウェイのコンシューマ ビジネスグループ、リチャード・ユーCEOは「スマートフォンやタブレット、ウェアラブルデバイスを持ちながらも、仕事でノートPCを使うシーンはまだまだ無くならない」とコメント。中でも2in1の分離型ノートPC市場は伸びており、モビリティーを求める今の時代に適した製品とのこと。
とはいえ、最新のノートPCとスマートフォンを比べると、色の表示能力が足りなかったり、バッテリー駆動時間が短かったり、防水性が乏しいなどの問題点があります。また、世界6ヵ国のビジネスパーソン1800人の声を聞いたところ、これからのノートPCに求めるものは、より高いファッション性、モビリティー、そしてマルチタスクなど快適な操作性だったとのこと。スマートフォンメーカーであるファーウェイが開発したMateBookは、今のノートPCの問題を解決し、またユーザーの声を取り入れた次世代の2in1ノートPCというワケです。
PCの発表会と言えば「どのCPUを搭載しているか」というスペックの話から始まるのが一般的。しかし、MateBookは本体デザインの話からプレゼンを開始しました。アルミ製のボディーは同社のMateシリーズなど、プレミアムスマートフォンと同じデザインの方向を向いた高級な質感。ビジネスツールとして高い耐久性を持つだけではなく、美しい仕上がりとなっています。
MateBookのキーボードは本体全体を覆うカバーも兼ねています。カバーを閉じて本体を保護した状態にすると、その外観はまるで革のノートのようです。これならスーツ姿のままMateBookを持ち歩く姿もさまになるでしょう。毎日使うモノとしての質感の追求、これはスマートフォンメーカーであるファーウェイならではのこだわりと言えます。
ノートPCに求められるモビリティーとして重要なのがバッテリー駆動時間です。発表会では、その指標として最大駆動時間をアピールするのではなく、オフィスアプリの利用、音楽再生、ビデオ再生と3つのシーンごとの事例で説明しました。
そして、類似した他社製品とも同じ利用シーンを比較。例えばオフィス利用ではMatebookとレノボの「MIIX 4」はあまり大きな差は見られませんが、音楽再生やビデオ再生では大きな差が出ます。このように、ユーザーが実際にMateBookを使って何を行ない、その時どれくらいの時間で利用できるのか、といった指標での比較もスマートフォンのようです。
そして気になるCPUはインテルの第6世代Core mを搭載。モデルはm3、m5、m7の3つのラインアップが用意され、さらにメモリー容量の違いで6種類の製品が販売される予定です。なお、CPU周りのスペック値などは細かい説明がされず、インテルのシニアバイスプレジデント、カーク・スカウゲン氏がCore mの特性などを説明するに留まりました。
カバーと一体型のキーボードはキートップが薄いので押し具合が気になりますが、ストローク長は1.5mmで「Surface Pro 4」の1.3mmよりも深いとのこと。カバー型のキーボードはタブレット型の本体の“おまけ”レベルの製品もありますが、MateBookの場合は、本格的なタイピングも可能なしっかりした造りになっています。
スタイラスペンは2048段階の筆圧感知に対応。方式は不明ですが、発表会では風景画のイラストを描くデモも行なわれていました。本体は金属製、1時間の充電で10日間の利用が可能とのこと。
スペックだけを見ると他社の2in1ノートPCとの差は見えないかもしれません。しかし、アルミ製で薄い本体デザインや高級文具のようにも見えるキーボード一体型カバー、そしてそのキーボードはしっかりした打鍵感があるなど、モノとしての完成度は非常に高まっています。スマートフォンメーカーが考えたノートPCは、多くのビジネスパーソンやコンシューマー層に訴求できる“真にパーソナルな”ノートPCと言えるのかもしれません。
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