ガルパンのヘッドフォン&マイクを購入
連載第6回でご紹介した(関連記事)、「スター・ウォーズ」や「エイリアン」で使われたヘッドセットもそうですが、映画に出てくるプロップが大好きなワタシ。アニメに登場する小道具類も好きだったりします。
2012年10月にテレビ放送が始まったガルパンこと「ガールズ&パンツァー」。公開中の劇場版では、音響スタッフが音響調整をした「極上爆音上映」がスゴいとか興行収入が8億円を突破したなどニュースになったりもしているので、ご存知の方も多いと思います。
OVAのころから作画検討用モデルを作らせていただいたり、劇場版では資料・取材協力として少しだけお手伝いさせてもらっているのですが、同作品で以前から気になっていたのが主人公の西住みほが使っているヘッドフォンとマイクです。
第二次世界大戦のころのドイツ軍の4号戦車に乗っているということで、ヘッドフォンとマイクもそれっぽいデザインです。前からほしいとは思っていたのですが、アニメに背中を押されてeBayでスッと購入。ヘッドフォンとマイクがセットで出品されていたので、一気に揃いました。
ただ、厳密にはヘッドフォンもマイクもオリジナルの実物ではないかもしれません。別のヘッドフォンから部品をもってきたり、新たに部品を作ったりしているかも。でも見た目はそれっぽいですし、傷や塗装の剥がれはたくさんあるものの、錆びたりはしていないのでワタシ的には全然オッケーです。
金属製で頑丈なヘッドフォン
ヘッドフォンはほぼすべてが金属製。そのせいか装着するとズシリと重いです。戦車で使うから頑丈に作られているわけではなく、プラスチックのような石油系合成樹脂が発達したのは戦後なので、金属で作らざるを得なかったのではないかと思います。
どのくらいあるんだろうと思って量ってみたところ、実測値で640gでした。今どきのヘッドフォンは重くても350g程度で、大抵は100~250gぐらいですから数倍あることになります。そりゃ重く感じるわけですよね。
スピーカーユニットを外してみると「Dfh.a」と「41」という刻印がありました。
詳しくはわからないのですが、Dfh.aはヘッドフォンの形式名で「DoppelfernhÖrer modell a」の略。41は製造年を指すらしく、1941年製のa型ということのようです。DoppelfernhÖrerは「2つのスピーカー」っていう意味なのかな?
スピーカーユニットの振動板はネジになっているので回せば簡単に外せます。振動板を覆っている黒い部分はベークライトらしく、古い家電品でよく見かけるヌメっとした感じの合成樹脂製。ちなみにベークライトというのは商品名で、一般名はポリオキシベンジルメチレングリコールアンハイドライドというそうです。覚えられません。
スピーカーは、コイルの接点が金属板に触れて振動させるようになっていました。ちょっと見にくいですが上のほうに2×1000Ωの文字があり、インピーダンスが2000Ωということのようです。通常のヘッドフォンが数Ωから数十Ω、せいぜい数百Ωという感じなので、相当ハイインピーダンスです。詳しいことはわからないのですが、その方が音がいいからなのか、もしかしたら技術的に低くすることが難しかったのかもしれません。
ゴムの部分は新たに生産されているリプロダクト品が出回っているので、新品に交換可能です。元々付いていたものは全然劣化していないしなんのプリントもないので、そもそもリプロ品なのかもしれません。
(次ページでは、「マイクは咽喉式」)
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