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空き駐車場シェアリングアプリ「akippa」に聞く、PayPalモバイルSDKを選んだワケ

シェアリングエコノミー型サービスに最適だった!

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PayPalのモバイルSDKを組み込んだテストアプリの画面。モバイルSDKを組み込むだけで、自前アプリに簡単に高機能でセキュアな決済機能を追加することができる。

 アドテクノロジー大手・クリテオの調査データによれば、日本国内のネットショッピングにおけるモバイル利用率は、2015年第1四半期に初めて過半数を超えた。'00年代には根強かった「高額商品はモバイル決済では購入されない」という意見は過去のものになりつつあり、許容価格レンジが変わってくるだろうことは想像に難くない。

 また、スマホ決済を通じた”消費”のスタイルも、BtoCの物販からフリマアプリのようなCtoCの個人間取引、対話型英語学習や場所の時間貸し購入など多様化し、この1〜2年というスパンでも物販以外の「消費行動」をビジネス化したスタートアップ企業は次々に登場している。

PayPalのヤマダウェブコム採用の記者説明会で使われたスライドより(11月5日撮影)

 PayPalがこのほど日本国内で本格サービスインする『モバイルSDK』は、こうしたモバイル決済の需要に応えて、スマホアプリにクレジットカード決済機能を簡単に組み込める開発キットだ。
 競合が複数ある中で、PayPal決済を使うメリットは何なのか?サービス提供者のPayPal自身と、PayPalを導入したスタートアップに直撃してみた。

Uber仕込みのモバイルSDK 決済の手間を減らすとCVRが15%アップの結果

 PayPal Pte.Ltd.東京支店の曽根氏は、モバイルSDKの特徴として、「最短4時間程度で簡単に実装できること」と、「スマホ時代の洗練されたカード決済機能を自社アプリに即座に組み込めること」を挙げる。

 特に後者については、クレジットカード番号を自動入力するスキャナー機能が自前アプリで使えるメリットが非常に大きいという。
現状、PayPalのモバイルSDKが提供する決済方法は、PayPalアカウントによる決済と、PayPalアカウントを使わずに、決済インフラ機能だけを使う、いわゆる通常のカード決済の2種類の決済方法がある。

 スキャナーは後者で使えるもので、ユーザーがクレジットカード決済を選択した際に、スマホカメラにクレジットカードをかざすだけで、カード番号や有効期限を認識して自動入力する機能だ。

 モバイルSDKを実装したアプリの世界的な成功例としては、低コストなタクシー配車アプリとして、アメリカで売り上げを爆伸させているスタートアップ『Uber』がある。Uberもスマホカメラを使った決済UIを採用しているが、この決済UIが実はモバイルSDKそのものだったりする。

 スキャナー機能で決済の手間を減らすことによるコンバージョン率(いわゆる “カゴ落ち”)の改善成果は無視できないレベルで、「ある米国の調査では、番号の手入力が不要になると、カード決済のコンバージョンが15%アップするという報告があります」(曽根氏)

PayPal Pte.Ltd.東京支店 マーチャントサービスディレクターの曽根 崇氏。

 そもそも、世界的なECの潮流は、会員登録型から、利用者登録不要のゲスト決済型に変わってきている。いかに利用者にスムーズに使ってもらうか?を考えれば、煩雑な入力が必要ない決済の導入は、確かに意味がありそうだ。

 採用する業態が必要とする機能による部分もあるが、国内でも決済サービスを提供する企業は複数ある。意外だったのは、そういった競合に対する優位性を導入検討企業に進める際に「手数料が安い」ことはあまりアピールはしないという。
「実際、細かく見るとPayPalより手数料単体なら安いサービスは他にもあります。我々は手数料勝負はせず、コンバージョンが上がって収益が増えるとか、事業者側の決済処理にまつわる手間が省けたり、クレジットカード不正利用による支払い取り消しにまつわる損害金(チャージバック)からの保護などトータルメリットを見てもらうようにしています」

 では、実際にモバイルSDKやPayPal決済を導入したスタートアップは、どういった点でPayPalを選んだのだろうか?2社のスタートアップ企業に実例を聞いてみた。

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