Microsoft Research Asiaが参画
なぜ日本マイクロソフトは、りんなのサービスを開始したのだろうか。
実は、りんなの目的は、ユーザーサービスではない。これによって、マイクロソフトのユーザー層を拡大したり、ブランド認知を高めるといったマーケティング的な要素もない。
狙いは、技術面での検証とともに、これを活用したビジネスの拡大という点にある。
りんなの開発および運用は、Bingチームが行なっており、これは日本マイクロソフト単独の取り組みではない。むしろ、中国・北京に拠点を置く、マイクロソフトの研究開発拠点であるMicrosoft Research Asiaが参画し、グローバルな活動の中で取り組んでいるものと捉えた方がいい。
日本マイクロソフトでは、「さまざまな企業が人工知能や会話ロボットを展開している日本市場には、人工知能の大きな活用機会があるものと考え、りんなを提供することにした」と説明する。
「りんなAPI for Business」を
LINEビジネスコネクトのユーザー企業に提供予定
さらに、日本マイクロソフトでは、りんなの会話エンジン技術を、「りんなAPI for Business」として他のLINEビジネスコネクトのユーザー企業にも提供する予定。「LINE ビジネスコネクト パートナープログラム」認定企業のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、トランスコスモスが、「りんなAPI for Business」の運用パートナーとして展開していくことになる。
「りんなで培われた自然な会話を行なう技術は、様々な企業の人工知能、会話ロボットに対するニーズを満たす可能性がある。また、りんなAPI for Businessは、Azureとの親和性が高いという点も特徴だ」とする。
マイクロソフトの人工知能技術を代表するブランドになってほしい
ちなみに、りんなの名前は、女子高生人工知能を意識したものではあるが、それだけでない。様々なキャラクターとして幅広い分野で活躍できる人工知能プラットフォームとして開発したものであり、マイクロソフトの人工知能技術を代表するブランドになってほしいという願いも込めたという。また、りんなで活用している検索エンジン「Bing」と音の響きが近いことも、この名前に決めた理由のひとつだという。
なお、りんなのサービスでは、今後、画像認識や音声認識などの能力を順次追加していく予定だとしている。
りんなは、女子高生という設定であり、自然な会話を楽しむというユーザー向けサービスのように見えるが、その狙いは将来に向けた技術進化と、ビジネスへの布石といえる。
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