クラウドやモバイルの領域で急成長と、
コマーシャル(法人)分野でも同じ傾向
これはコマーシャル(法人)分野でも同じだ。
コマーシャル部門の売上高は135億2700万ドル(約1兆6829億円)と前年並の実績。だが、コマーシャル向けライセンスの売上高は前年同期比7%減の104億5100万ドル(約1兆3002億円)。そのうち、Windowsのボリュームライセンスは前年同期比8%減、コマーシャル向けOfficeの売上高も18%減少している。
その一方で、サーバー製品およびサービス収入は4%増加。なかでも、クラウド関連事業の売上高は前年同期比88%増と大幅に増加した。Azureの売上高は3倍、Dynamics CRM Onlineの利用者数は2.5倍にも増加しているほか、Office 365も大きな成長を遂げている。
このように、マイクロソフトが重視するクラウドやモバイルの領域では、急成長を遂げており、従来型ともいえるライセンスビジネスが減少しているわけだ。
こうしたビジネスモデルの転換が進んでいるからこそ、「うまく行っている」というわけなのだ。
そして、もし、この第4四半期で計上したノキアの買収に関する減損費用とリストラ関連費用によって、スマホ事業の膿を出し切ったとすれば、スマホ事業も今後は加速フェーズへと転換でき、経営にとってはプラス要素になるといった見方もできる。
過去最大規模の赤字という数字だけに目がいっていると、今回の決算数字に隠れた本質を見誤ることになりかねない。
7月から始まった同社2016年度において、まずは、10月にも発表される予定の第1四半期(2015年7〜9月)の決算の数字がどうなるのか、気になるところだ。その数字次第で、マイクロソフトの変革がどれほどの成果になっているのかが、多くの人に明らかになるのかもしれない。
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