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マイクロソフト・トゥディ 第163回

MS ナデラCEO、まさかの「iPhone Pro」をデモ!?

2015年09月24日 22時00分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉

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 マイクロソフトとセールスフォース・ドットコムの関係が、より緊密になっている。

 米セールスフォース・ドットコムが2015年9月15日(米国時間)から開催した「Dreamforce 2015」(米サンフランシスコ)は、その緊密ぶりの深さをさらに示すものになった。

 セールスフォース・ドットコムとマイクロソフトは、2014年10月に戦略的提携を発表し、マイクロソフトのOfficeとセールスフォース・ドットコムの「Sales Cloud」などとの連携を発表。「SharePoint」のデータを「Sales Cloud」で取り出したり、それを「PowerBI」で分析したりといったことを可能にしてきた。

 そして、今回のDreamforce 2015開催にあわせて、「Salesforce App for Outlook」「Salesforce1 Mobile App for Office」を発表。また、新たなユーザーインターフェースである「Salesforce Lightning Experience」を「Skype for Business」「Microsoft OneNote」に統合することを明らかにした。さらに、「Graph」「Delve」と呼ぶ新たな製品も「Sales Cloud」などと連携する方向性を示してみせた。

 また、Dreamforce 2015最大の目玉「Salesforce IoT Cloud」では、IoTから発信される1日数10億件のイベントを「Microsoft Azure」を通じて「Salesforce IoT Cloud」に送信する仕組みを採用。ここでも、マイクロソフトとの提携が生かされることになる。

「2社の技術は、深いレベルで統合され始めている」

 Dreamforce 2015で両社の関係の緊密ぶりを示したのは、こうした製品面での連携だけではない。

 開催初日の基調講演では、米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOが登壇。さらに、米セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフCEOの基調講演には、米マイクロソフトのジョン・トンプソン会長がゲストで出演。トップが並んで出席するという力の入れようだ。昨年のDreamforceでは、Windows担当マーケティングバイスプレジデントのトニー・プロフェット氏が基調講演をしたが、今回の同社トップの基調講演への参加は、この1年で両社の関係が一層強まったことの表れだといえよう。

米マイクロソフトのサティア・ナデラCEO

 ベニオフCEOは、「私はここ数年で、ナデラ氏と親友になった。今日は、ここに来てくれたことをうれしく思っている。すばらしい人間であり、すばらしいビジョンを持っている。そして、すばらしい会社を引っ張っている」と基調講演で紹介。さらに、「Salesforce IoT Cloudの立ち上げにおける、マイクロソフトのパートナーシップに感謝したい。多くの人がこの関係を想像していなかっただろうが、この関係はうまく機能している」とコメント。また、「顧客を第一に考えるという、2社のビジョンの方向性は同じ。2社の技術は、深いレベルで統合され始めている」などとした。

 一方ナデラCEOは、「セールスフォース・ドットコムとマイクロソフトの協業によって、多くの人が感じている時間が足りないという課題や、洞察力が足りないという課題を解決できる」などと語った。

 一時は、マイクロソフトによる買収報道が流れていたが、ベニオフCEOは、「セールスフォース・ドットコムは、マイクロソフト、オラクル、SAPに次いで、4番目のソフトウェア会社になった」と発言。買収される立場ではなく、他社を買収する側にいることを強調してみせたが、そうした位置づけの中で、マイクロソフトとの提携をさらに加速させたというわけだ。

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